「高度専門職」で行える活動は?

結論からいうと「高度専門職」ビザといっても固有の具体例がある訳ではありません。

なぜなら、「高度専門職」というのは既存の在留資格の活動がベースとなっており、その上で高度人材ポイントが70点以上あると認められた場合に与えられる在留資格だからです。

ちなみに、入管法の「高度専門職」の定義は次のようになっています。

「高度専門職」

高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準※1に適合する者が行う次のイからハまでのいずれかに該当する活動であつて、我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの


法務大臣が指定する本邦の公私の機関※2との契約に基づいて研究 、 研究の指導若しくは教育をする活動※3又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営※4し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究 、 研究の指導若しくは教育をする活動※5


法務大臣が指定する本邦の公私の機関※2との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動※6又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動※5


法務大臣が指定する本邦の公私の機関※2において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動※7

入管法別表第1の2の表「高度専門職」より

「又は」の前半部分がメイン活動、後半部分はサブで行える活動を意味します。

とは言え、パッと見て意味不明だと思います。

要するに「高度専門職」というのは高度人材ポイント制をクリアし、かつ、イロハ3タイプの活動のいずれかに該当する必要がありますよ。って意味です。

イ → 研究、研究の指導若しくは教育をする活動
ロ → 自然科学や人文科学の知識、または技術を要する業務に従事する活動
ハ → 貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動

用語の解説

せっかくなので定義も解説します。

※1「法務省令で定める基準」とは

この基準とは高度人材ポイント制のことです。
「高度専門職」となるためには、その高度人材ポイント制で70点以上あることが必要です。

※2「法務大臣が指定する本邦の公私の機関」とは

「高度専門職」が許可されると、勤務先が指定書に明記され固定されるという認識でOKです。
つまり、「高度専門職」の外国人は勤務先が固定されるため、転職する際にもあらためて在留資格の変更申請を行う必要があります。

※3「研究、研究の指導若しくは教育をする活動」とは

言葉通りで「教授」ビザの活動と同じです。

※4「当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動」とは

主たる活動の研究の成果や知識・技術を生かしてベンチャー企業を経営する等の活動が想定されています。ただし、「当該活動と併せて」と規定しているため、主たる活動を行わず、それらの付帯的な活動のみ行うことは認められません。

※5「当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動」とは

主たる活動に関する契約機関以外の機関との契約に基づく活動を許容する趣旨です。ただし、「当該活動と併せて」と規定しているため、主たる活動を行わず、それらの付帯的な活動のみ行うことは認められません。

※6「自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動」とは

「技術・人文知識・国際業務」ビザで規定されている「自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動」と同義です。ただし、「高度専門職1号ロ」においては、「技術・人文知識・国際業務」に相当する活動のうち「国際業務」の部分は含まれていません。
なぜなら、「国際業務」は「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」であり、「高度専門職1号ロ」の在留資格の概念には適しないとともに、思考や感受性のレベルの高低をポイントで測ることは困難だからです。

※7「当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動」とは

主たる活動として指定された会社の役員として活動している者が、同種同業の他社の社外取締役を兼任したり、特定された会社以外に子会社を設立して経営するといった活動が想定されています。主たる経営活動との関連性が必要であるので、例えば、IT企業の役員が飲食業を経営するのは対象外となります。
また、「当該活動と併せて」と規定しているため、主たる活動である指定された機関における経営・管理活動を行わずに付帯的な活動のみを行うことは認められません。

「高度専門職」の条件

「高度専門職」となるための条件は次のとおり。

「高度専門職」の上陸基準省令より

  1. 申請人が次のいずれかに該当する必要がある他、さらに2、3いずれにも該当する必要があります。
    1. 「高度専門職1号イ」の活動を行う外国人であって、高度人材ポイントが70点以上であること
    2. 「高度専門職1号ロ」の活動を行う外国人であって、高度人材ポイントが70点以上であり、かつ、年収が300万円以上であること
    3. 「高度専門職1号ハ」の活動を行う外国人であって、高度人材ポイントが70点以上であり、かつ、年収が300万円以上であること
  2. 申請人が行おうとする活動が次のいずれかに該当し、かつ、その基準を満たしていること
    1. 「教授」「芸術」「宗教」「報道」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「興行」「技能」
  3. 申請人が日本において行おうとする活動が日本の産業や国民生活に与える影響等の観点から相当でないと認める場合でないこと

1の解説

  1. 「高度専門職1号イ」の活動とは、「教授」「研究」「教育」といった活動です。
  2. 「高度専門職1号ロ」の活動とは、「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「教授」「芸術」「報道」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「興行」「宗教」「技能」といった活動です。
  3. 「高度専門職1号ハ」の活動とは、「経営・管理」「法律・会計業務」の活動と同じである他、「興行」の活動も「高度専門職1号ハ」になり得ることがあります。

高度人材ポイントのポイント計算についてはこちらをご覧ください。

在留資格「高度専門職」に必要な高度人材ポイント制とは

高度人材ポイント制のポイント計算

2の解説

  • 「高度専門職」は既存の在留資格の活動がベースとなっているため、当然その基準はクリアしている必要があります。

3の解説

  • あまり気にする必要はありません。

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