平成30年12月14日、入管法の一部を改正する法律が公布されました。
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新入管法の概要とは
新入管法の概要は、新たな在留資格である「特定技能1号」と「特定技能2号」の創設を始め主に8点。
- 在留資格「特定技能1号」と「特定技能2号」の創設
- 受入れプロセス等に関する規定の整備
- 外国人に対する支援の規定の整備
- 受入れ機関に関する規定の整備
- 登録支援機関に関する規定の整備
- 届出、指導・助言、報告等に関する規定の整備
- 特定技能2号の配偶者や子に在留資格を付与することを可能とする規定の整備
- その他関連手続き・罰則等の整備

1.新ビザ「特定技能1号」と「特定技能2号」の創設
新ビザとなる「特定技能1号」と「特定技能2号」が行うことができる活動は、法律上このようになってます。
新入管法別表一の二より
特定技能1号
法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野(人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として法務省令で定めるものをいう。同号において同じ。)であつて法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動
特定技能2号
法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野であつて法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める熟練した技能を要する業務に従事する活動
特定技能1号は、雇用契約に基づいて行う相当程度の知識と経験が必要な業務で働く外国人向けのビザであり、受け入れ分野は法務省令で定める一定の人材不足の分野に限るとされています。(介護、建設業、外食業、農業、ビルクリーニング、漁業などの14業界)
特定技能2号も、受け入れ分野は1号と同じく法務省令で定める一定の人材不足の分野に限り、熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けのビザとなっています。
今更ながらいずれも詳細な内容は省令に譲る形になってます。こういった辺りも拙速感が拭えません。
2.受入れプロセス等に関する規定の整備とは
まず各分野に跨る方針として「基本方針」を定め、そのうえで介護や建設など14の受け入れ分野ごとの方針となる「分野別運用方針」が規定されました。
基本方針には
「基本方針」には悪質なブローカーを排除することや、地方の人手不足を解消するため、都市部に外国人が集中しないように必要な措置をとるよう努めることが盛り込まれました。
運営方針には
分野別の「運用方針」には、来年4月からの5年間に14の受け入れ分野を合わせて最大で34万5000人余りの受け入れ見込み数と、経済情勢の変化がないかぎり、これを受け入れの上限として運用することが示されています。
その他にも次のような様々な規定が整備されています。
- 具体的な分野名等を法務省令で定めるための規定
- 特定技能外国人が入国する際や受入れ機関等を変更する際に審査を経る旨の規定
- 受入れの一時停止が必要となった場合の規定
3.外国人に対する支援の規定の整備
ここから5までは、受け入れ分野の各企業・団体に求められる事項です。
受入れ機関は、「一号特定技能外国人支援計画」という支援計画を作成し、その支援計画に基づいて、受け入れた外国人に対して日常生活上、職業生活上・社会生活上の支援を実施することが求められます。
なお、 作成する支援計画は法務省令で定める基準に適合所要の基準に適合しなければなりません。

4.受入れ機関に関する規定の整備
特定技能外国人の給料が日本人と同等か、もしくはそれ以上となることを確保するため、双方の間で交わす雇用契約は、活動内容や報酬以外の雇用関係についても所要の基準に適合することが求められます。
また、雇用契約の適正な履行や支援計画の適正な実施が確保されるための所要の基準に適合することも求められます。
5.登録支援機関に関する規定の整備
受入れ機関は、特定技能外国人に対する支援を登録支援機関に委託すれば、↑の支援計画の適正な実施が確保されるための所要の基準に適合するものとみなされることになっています。
登録支援機関とは
契約により委託を受けて特定技能外国人に対する支援計画の全部の実施の業務(支援業務)を行う者として、出入国在留管理庁長官の登録を受けたものをいいます。なお、登録支援機関は登録簿を一般の閲覧に供されることとなります。
6.届出、指導・助言、報告等に関する規定の整備
ここには、局から庁へと格上げになった出入国在留管理庁が徹底した管理体制を強いていくことが改めて明確化されています。
- 出入国在留管理庁長官に対する外国人、受入れ機関・登録支援機関が行う届出の規定
- 出入国在留管理庁長官による受入れ機関・登録支援機関に対する指導・助言、報告徴収の規定
- 出入国在留管理庁長官による受入れ機関・登録支援機関に対する改善命令の規定
外国人材の受け入れが拡大する以上、出入国在留管理庁による外国人への在留管理は厳しくなると予想されます。
7.特定技能2号の配偶者や子に在留資格を付与することを可能とする規定の整備
特定技能2号は、配偶者や自分の子供を呼ぶことが可能となります。1号は家族を呼べないため、2号のインセンティブの一つといえます。

8.その他関連手続き・罰則等の整備
今回の改正案では罰則規定が強化された訳ではありませんが、「特定技能1号」と「特定技能2号」外国人もその受入れ機関も新入管法に違反すれば罰則の対象となります。
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この記事を書いた人

- 行政書士Office ITO 代表
-
IT業界で10年目リストラに遭遇し、行政書士資格を取得。
2016年行政書士Office ITOを開設し、外国人ビザ申請に特化。
銀座を拠点に就労ビザ・配偶者ビザ・永住ビザなど実績10年。
趣味はおいしいパスタ料理(自称)と断捨離。家は小遣い制。
[ 所属団体 ] 東京行政書士会(会員番号 第11086号)
日本行政書士会連合会(登録番号 第16081519号)
[ 資格 ]
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Certified Immigration Procedures Agent(入管申請取次)他
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