留学生のビザ更新は出席率が重要

日韓政府の対立が激しくなって久しいですが、政府間はともかく、これ以上国民同士の交流まで疎遠にならないで欲しいと思う今日この頃。

お客さんの紹介の紹介

そんな訳で、韓国人留学生のお客さんとの印象に残っている案件を思い出したのでちょっとご紹介。

同じお客さんから何度も依頼をもらう内に、他のお客さんを紹介して頂くことはよくあると思います。
時には、そのまた先のお客さんを紹介してもらう“紹介の紹介”なんてことも。

このときも、最初はそんな感じでの紹介で親しくなったお客さんから、

『ビザの更新で困っている留学生がいるらしいので、先生を紹介しても良いか』

と又聞で聞いただけでした。
しかし、こういった紹介の紹介という間接的なお話は結構あって、いざ直接連絡してみると少し話が違ったりすることもよくあったので、最近ではこちらから直接連絡をとることはしていませんでした。

2ヵ月程過ぎたころ

そんなある日の電話。

『○○サン(前述の社長)からの知り合いの○○の紹介でオデンワしましたBとイイマス。』

一瞬何の話かサッパリ分からなかったのですが、じっくりお話しを聞くと例の“紹介の紹介”の件の当事者である韓国人留学生のB君からでした。

困っているという状況を又聞で聞いたのが、2ヵ月ぐらい前の話。。。
正直、嫌な予感がしたのを覚えています。
なぜなら、入管業務に限った話じゃないですが、行政への申請手続というのは時間の経過が増せば増す程、安易な案件でも安易でなくなる傾向があるからです。

納期の迫った仕事をイキナリ振られると焦ってミスしがちですよね、そんな感じです。
また、抱えている他の案件との兼ね合いからもプレッシャーになります。

困った状況=出席率が70%台

まずは、B君から困っているという状況を色々聞きました。
とりあえずは、私が懸念していたようなオーバーステイだった訳でもなく、在留期限が差し迫っていた訳でもありませんでした。(2ヵ月経っていた理由は後述)

では、困った状況とは何だったのかというと。

それは日本語学校の出席率が72%しかないとのことでした。

我々日本人が、日本の学校を卒業して進学する際に7割の出席ならそこまで問題になる場面は無いかと思います。
ただし、これが留学生となると話は別です。
「留学」という在留資格で来日している以上、留学生には基本的に100%の出席率が求められます。入管にもハッキリ言われます。

『留学生は100%の出席率を目指してください』と。

もちろん生身の人間ですから、体調などの理由で学校を欠席・休学せざるを得ない事情も時にはあるでしょう。
そういった場合は、出席率が低くなってしまったことに合理的な理由があると認められれば問題はありません。
しかし、認められなければ不許可となります。当然出国しなければなりません。

■出席率だけでみた場合の許可状況
90%台 ⇒ 問題なし。
80%台 ⇒ 一発で不許可となることは考え辛い。(ほぼ問題なし)
70%台 ⇒ 欠席の理由や他の要件次第。(許可のケースも一発OUTのケースもあり)
※学校の種類・欠席の理由・その他の審査項目等から一概には言えません。あくまでも目安。

B君の状況まとめ

そんなB君からの話を聞いた結果、まとめると次のような状況でした。

・日本語学校を72%で卒業(N2を取得)し、デザイン系専門学校に入学したばかり。
・欠席が多くなったのは後半だけで、欠席の理由は体調不良によるもの。
・今の専門学校では100%の出席率をキープしている。
・アルバイトはしているが、週28時間以内。むしろ、アルバイト時間は少ない。
・両親からの仕送りは安定している。その他の懸念点は全くない。
・デザインのスキルは高く、向上心も強い。未成年でありながら礼儀作法も知ってる。

つまり、懸念点は出席率が微妙なラインであることのみ。

それ以外の点は、何一つ問題なく、むしろ“優等生”の留学生。
B君のデザインの作品を見せてもらったら、素人目にもお金がとれるクオリティであったり、将来は日本の○○という会社で○○をしたいという明確な意思をもっていたり、また、中国語と英語も話せるというから、未成年ながらハイスペックな人だなぁ…と心から感心しました。

同時に、こういう方には絶対もっと長く日本に居て欲しいと強く思いました。

他の事務所にも依頼

ただし、いくら優秀な留学生であったとしても72%という出席率は油断できません。

90%台と同じような書類の作り方では、不許可もあり得るので、B君とは通常以上にヒアリングを重ねました。関連資料もいつも以上にチェックし、周りの同業に助言を聞いたり、入管の留学部門に直接相談にも行きました。

書類作成においては、B君が日本に残りたいと言っていた日本への想いと、○○に就職して技術を身につけることが夢だと語っていたことを思い返し、入念な理由書とそれを裏付ける証拠資料を併せ申請書類一式を完成させ、必ずB君が日本に残れるよう最善を尽くしました。

そして、申請の前にB君にチェックしてもらい、突然言われました。

『実は、先に、他の行政書士事務所にも依頼していました。デモ、ちょっと不安デシタ、知り合いにセンセイのことを聞いてオネガイすることにしました。』

『センセイに頼んで良かったです。これでもしNGだったとしても、もうそれは私が悪くシカタナイので韓国に帰ります。』

一瞬、天秤にかけられていたのかとヒヤっとしましたが、そういう事じゃなかったです。

何でも、先に頼んでいた事務所にも料金は支払済みで、今回の申請書類も概ねすぐ作成してくれたそうです。

しかし、提示された申請書類を確認したところ、B君の目には不安が残る完成度だったので、修正等のお願いしたが不安が払しょくされなかったので巡り巡っている内に2ヵ月が過ぎたという訳でした。

B君にその事務所の申請書類を見ますか?と聞かれましたが、特に必要なかったので見ませんでした。

先方もプロでB君の状況を聞いていれば、抑えるポイントは抑えているはずです。だからそれを見たところで何かの参考にはなるかもしれないし、ならないかもしれません。

いずれにしても、自分が最善を尽くして作り上げた書類がベストだと思ってます。

申請の結果は

まあ長くなりましたが、申請の結果は結論からいうと

無事許可がでました。

少しイレギュラーだったのが、

・審査期間が50日もかかったことと
・入管からの通知で本人出頭が要請された

ということがありました。

本人出頭が要請される場合、不許可で出国のための在留資格変更(特定活動というビザに変更)をさせられるケースと、この時のように軽く指導を受けて許可されるケースもあります。

なお、留学生がビザ更新した場合、通常であれば14~20日ぐらいで結果が出ることを考えると、50日は本当に長すぎで若干不安になってましたが、B君はもっと不安だったのでしょうが、これに懲りて現在の出席率には気を付けているでしょう。(笑)

 

その後B君から聞いた話では、許可が分かって真っ先に電話を掛けてきたのは、本国からの母親でB君が許可を伝えると泣いて喜んでいたそうです。
両親はかなりの親日派だけど、日本に居る韓国人にはそういう家庭が多いそうです。
だから、今の国際情勢について国民同士は冷静に捉えて欲しいってB君は言っていました。

全く持って同感です。

 

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About the author

SHINGO ITO
SHINGO ITO
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Immigration lawyer(入国管理局申請取次届出)
・Certified Skilled Worker of Financial Planning(2級FP技能士)
・Personal Information Protection Professional(個人情報保護士)
IT業界で10年間コーディネーターとして幅広く業務を担当。
2016年これまでに得た経験を活かすため行政書士に転身。
その後1年間の下積みを経て行政書士伊藤真吾事務所を開設。
趣味は、深夜の一人映画館と断捨離とバイク。家は小遣い制。
【Affiliation】
日本行政書士会連合会 登録番号 第16081519号
東京都行政書士会   会員番号 第11086号
【Other qualifications】
調理師免許
大型自動車免許
中型自動二輪免許