「高度専門職」とは

「高度専門職」ビザは高度で専門的な能力を有する外国人材の受け入れ促進のために設けられたもので、活動内容に応じてイロハの3パターンあります。

真ん中の「高度専門職1号(ロ)」に該当するケースが多い
  • 「高度専門職1号イ」
    本邦の公私の機関との契約に基づいて行う研究、研究の指導又は教育をする活動
  • 「高度専門職1号ロ」
    本邦の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動
  • 「高度専門職1号ハ」
    本邦の公私の機関において事業の経営を行い又は管理に従事する活動

「高度専門職」の在留期間

「高度専門職」には3パターンあると言いましたが、1号と2号という分類もあります。

最初は「高度専門職1号」となり、1号で3年以上経過すると「高度専門職2号」になることができます。
2号になると在留期間が無期限となります。

「高度専門職」在留期間
3つの活動パターン
1号
5年
高度学術研究活動
高度専門・技術活動
高度経営・管理活動
2号
無期限
高度学術研究活動
高度専門・技術活動
高度経営・管理活動

つまり「高度専門職」といっても厳密には計6パターンあることになります。

「高度専門職」には、後述する他のビザにはない様々な優遇措置があったり、「高度人材ポイント制」という追加の基準があったり、さらに中身が6パターンもあったり一見複雑なビザです。

「高度専門職」の具体例

そんな「高度専門職」ビザといっても固有の具体例がある訳ではありません。

なぜなら「高度専門職」は既存の在留資格の活動をベースとし、その中で特に高度な人材と認められた場合に認められるので、具体例も既存の在留資格に準じるものになります。

高度人材ポイントリーフレットより

イロハの順に具体例をみていきます。

「高度専門職1号イ」の具体例
「高度専門職1号イ」の具体例は、「教授」「研究」「教育」の活動と同じです。

 

「高度専門職1号ロ」の具体例
「高度専門職1号ロ」の具体例は、「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」の活動と同じである他、「教授」「芸術」「報道」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「興行」に規定されている活動を行う場合も「高度専門職1号ロ」の活動に重複し得ます。
さらに、「宗教」「技能」に相当する活動を行う場合で自然科学・人文科学の分野に属する知識・技術を要する業務に従事する場合も「高度専門職1号ロ」の活動に重複し得ます。

 

「高度専門職1号ハ」の具体例
「高度専門職1号ハ」の具体例は、「経営・管理」「法律・会計業務」の活動と同じである他、「興行」に規定されている活動を行う場合も「高度専門職1号ハ」の活動に重複し得ます。

「高度専門職」で行える活動は?

結論からいうと「高度専門職」ビザといっても固有の具体例がある訳ではありません。

なぜなら、「高度専門職」というのは既存の在留資格の活動がベースとなっており、その上で高度人材ポイントが70点以上あると認められた場合に与えられる在留資格だからです。

ちなみに、入管法の「高度専門職」の定義は次のようになっています。

「高度専門職」

高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準※1に適合する者が行う次のイからハまでのいずれかに該当する活動であつて、我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの


法務大臣が指定する本邦の公私の機関※2との契約に基づいて研究 、 研究の指導若しくは教育をする活動※3又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営※4し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究 、 研究の指導若しくは教育をする活動※5


法務大臣が指定する本邦の公私の機関※2との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動※6又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動※5


法務大臣が指定する本邦の公私の機関※2において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動※7

入管法別表第1の2の表「高度専門職」より

「又は」の前半部分がメイン活動、後半部分はサブで行える活動を意味します。

とは言え、パッと見て意味不明だと思います。

要するに「高度専門職」というのは高度人材ポイント制をクリアし、かつ、イロハ3タイプの活動のいずれかに該当する必要がありますよ。って意味です。

イ → 研究、研究の指導若しくは教育をする活動
ロ → 自然科学や人文科学の知識、または技術を要する業務に従事する活動
ハ → 貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動

用語の解説

せっかくなので定義も解説します。

※1「法務省令で定める基準」とは

この基準とは高度人材ポイント制のことです。
「高度専門職」となるためには、その高度人材ポイント制で70点以上あることが必要です。

※2「法務大臣が指定する本邦の公私の機関」とは

「高度専門職」が許可されると、勤務先が指定書に明記され固定されるという認識でOKです。
つまり、「高度専門職」の外国人は勤務先が固定されるため、転職する際にもあらためて在留資格の変更申請を行う必要があります。

※3「研究、研究の指導若しくは教育をする活動」とは

言葉通りで「教授」ビザの活動と同じです。

※4「当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動」とは

主たる活動の研究の成果や知識・技術を生かしてベンチャー企業を経営する等の活動が想定されています。ただし、「当該活動と併せて」と規定しているため、主たる活動を行わず、それらの付帯的な活動のみ行うことは認められません。

※5「当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動」とは

主たる活動に関する契約機関以外の機関との契約に基づく活動を許容する趣旨です。ただし、「当該活動と併せて」と規定しているため、主たる活動を行わず、それらの付帯的な活動のみ行うことは認められません。

※6「自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動」とは

「技術・人文知識・国際業務」ビザで規定されている「自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動」と同義です。ただし、「高度専門職1号ロ」においては、「技術・人文知識・国際業務」に相当する活動のうち「国際業務」の部分は含まれていません。
なぜなら、「国際業務」は「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」であり、「高度専門職1号ロ」の在留資格の概念には適しないとともに、思考や感受性のレベルの高低をポイントで測ることは困難だからです。

※7「当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動」とは

主たる活動として指定された会社の役員として活動している者が、同種同業の他社の社外取締役を兼任したり、特定された会社以外に子会社を設立して経営するといった活動が想定されています。主たる経営活動との関連性が必要であるので、例えば、IT企業の役員が飲食業を経営するのは対象外となります。
また、「当該活動と併せて」と規定しているため、主たる活動である指定された機関における経営・管理活動を行わずに付帯的な活動のみを行うことは認められません。

「高度専門職」の条件

「高度専門職」となるための条件は次のとおり。

「高度専門職」の上陸基準省令より

  1. 申請人が次のいずれかに該当する必要がある他、さらに2、3いずれにも該当する必要があります。
    1. 「高度専門職1号イ」の活動を行う外国人であって、高度人材ポイントが70点以上であること
    2. 「高度専門職1号ロ」の活動を行う外国人であって、高度人材ポイントが70点以上であり、かつ、年収が300万円以上であること
    3. 「高度専門職1号ハ」の活動を行う外国人であって、高度人材ポイントが70点以上であり、かつ、年収が300万円以上であること
  2. 申請人が行おうとする活動が次のいずれかに該当し、かつ、その基準を満たしていること
    1. 「教授」「芸術」「宗教」「報道」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「興行」「技能」
  3. 申請人が日本において行おうとする活動が日本の産業や国民生活に与える影響等の観点から相当でないと認める場合でないこと

1の解説

  1. 「高度専門職1号イ」の活動とは、「教授」「研究」「教育」といった活動です。
  2. 「高度専門職1号ロ」の活動とは、「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「教授」「芸術」「報道」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「興行」「宗教」「技能」といった活動です。
  3. 「高度専門職1号ハ」の活動とは、「経営・管理」「法律・会計業務」の活動と同じである他、「興行」の活動も「高度専門職1号ハ」になり得ることがあります。

高度人材ポイントのポイント計算についてはこちらをご覧ください。

在留資格「高度専門職」に必要な高度人材ポイント制とは

2の解説

  • 「高度専門職」は既存の在留資格の活動がベースとなっているため、当然その基準はクリアしている必要があります。

3の解説

  • あまり気にする必要はありません。

「高度専門職」の必要書類

「高度専門職」のメリットは7

「高度専門職」には他のビザにはない7つのメリットがあります。

  1. 複合的な在留活動の許容
  2. 在留期間が5年
  3. 在留歴に係る永住許可要件の緩和
  4. 配偶者の就労
  5. 親の帯同(一定の要件が必要)
  6. 家事使用人の帯同(一定の要件が必要)
  7. 入国・在留手続きの優先処理

特に2、3が大きいです。

1から解説します。

1.複合的な在留活動の許容

外国人は許可されている在留資格の範囲内でしか活動することができません。

しかし、高度専門職の在留資格を得ると関連する複数の在留資格にまたがる活動も行うことが可能となります。
注意点として、あくまでも高度専門職に関連する在留資格でなければならないという点です。
つまり、高度専門職を得たからといって「技能」や「興行」などといった関連性がない活動は行うことができません。

2.在留期間が5年

他の在留資格では、在留期間は1年だったり3年です。本人の経歴や勤めている会社の信頼度によっては3年の期間が与えられますが、1年単位の在留期間しか与えられない在留外国人が多いのが実情です。

このように在留期間「3年」を得るのも大変ですが、高度専門職の場合はいきなり「5年」の在留期間が与えられるのです。

3.在留歴に係る永住許可要件の緩和

永住許可の要件の一つに居住要件という条件があります。 

  永住許可の第一条件である居住要件

原則として引き続き10年以上日本に在留していること。ただし,この期間のうち,就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。

つまり、永住許可を受けるためには、原則10年以上日本に在留して、かつ、その10年の中でも5年以上は働いていること等が必要なわけです。
「高度専門職」であれば3年で居住要件はクリアしたことになります。
更に、高度人材ポイントが80点以上の「高度専門職」であれば僅か1年で居住要件が満たされることになります。

4.配偶者の就労

在留外国人の配偶者は家族滞在という在留資格で、日本に滞在するケースが多いと思いますが、この家族滞在という在留資格の場合、そのままでは日本で働くことができません。家族滞在で在留する外国人は資格外活動許可という特別の許可を貰わなければ日本では働くことができません。
さらにこの資格外活動許可を貰っても週28時間までしか働くことができません。

しかし、高度専門職をもった配偶者がいると家族滞在で在留する外国人も働くことができます。

5.親の帯同(一定の要件が必要)

このメリットを使うためには、さらに多くの要件が必要となります。

現状、外国人の親を呼ぶための在留資格は存在しないため、仕方がないのですが、親の帯同要件は以下となります。

  • 高度外国人材の世帯年収※が800万円以上であること
    ※高度外国人材本人とその配偶者の年収を合算したものをいいます。
  • 高度外国人材と同居すること
  • 高度外国人材又はその配偶者のどちらかの親に限ること 

以上の要件を満たした上で、さらに次のケースに該当する場合のみ帯同可能ということです。

  • 高度人材の7歳未満の子を養育する場合または
  • 高度人材本人または高度人材の配偶者の妊娠中の介助を行う場合

やはりここからも外国人の親を呼ぶということが困難であることが言えます。

6.家事使用人の帯同(一定の要件が必要)

外国人の家事使用人の雇用は,在留資格「経営・管理」,「法律・会計業務」等で在留する一部の外国人に対してのみ認められていますが、高度外国人材については,一定の要件の下で,外国人の家事使用人を帯同することが認められます。

この一定の要件も親の帯同と同じくなかなかハードルが高いです。以下に一部の要件を示します。

  • 高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上あること
  • 帯同できる家事使用人は1名まで
  • 家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
  • 高度外国人材と共に本邦へ入国する場合は,帯同する家事使用人が本邦入国前に1年以上当該高度外国人材に雇用されていた者であること
  • 高度外国人材が先に本邦に入国する場合は,帯同する家事使用人が本邦入国前に1年以上当該高度外国人材に雇用され,かつ,当該高度外国人材が本邦へ入国後,引き続き当該高度外国人材又は当該高度外国人材が本邦入国前に同居していた親族に雇用されている者であること

7.在留審査が優先

他の在留資格認定手続きでは、審査期間が約1~3か月を要します。

しかし、高度専門職の場合では5~14日で審査結果を出すよう優先してスピーディな審査が行われます。

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