住宅ローンを組むために「永住者」になりたいが、まずは「高度専門職」に変更したい

都内の特許事務所で勤務中のスリランカ人です

日本での就職期間は約3年で自宅の購入を検討しています。
家を購入するために住宅ローンを申し込みましたが、銀行から「永住者」になる必要があると言われました。

日本で安定した生活を送りたいと考えています。
早く「永住者」になるにはどうすれば良いでしょうか。

本人の状況

スリランカ人のAさんは、20代後半に日本都内の大学院に留学し、30歳で知的財産の修士(専門職)課程を修了。

大学院を卒業後、そのまま日本の知的財産を扱う特許会社に就職。

日本在留歴は「留学」の3年間と「技術・人文知識・国際業務」になってからの3年。

現在は「技術・人文知識・国際業務」で在留期限は1年。妻子もおり3人で暮らしている。

子供を将来日本で教育を受けさせたいので自宅が欲しい。

ある程度の頭金はあるが、住宅ローンを組むためには「永住者」にならないといけないのでなるべく早く「永住者」になりたい。

また、「高度専門職」のポイント制や「永住者」になるためのメリットについても知りたい。

コンサル結果

結論からいうと、Aさんは高度人材ポイントが70点あったので、最短で「永住者」になるには次のステップが有効だと判断。

①「技術・人文知識・国際業務」→「高度専門職」に変更
※ 在留期限「5年」を得るため
※ 審査期間は約2週間

②「高度専門職」となって3年以上継続して日本に在留 → 永住申請を行う

①の補足
「高度専門職」にならなくても現時点と3年前の時点で高度人材ポイントが70点あれば永住申請が可能ではあるが、3年前の時点では70点に満たないことと、次回更新時に在留期限が「3年」得られるかも不透明であるため、「永住者」をゴールとするなら、まずは「高度専門職」になっておくことが妥当。
※ 永住要件のうち居住要件(在留歴)以外の要件は満たしている前提

高度人材ポイントの計算

▼Aさんの現時点のポイント(高度専門職1号ロに該当)

項目 対象 ポイント
申請人 スリランカ人のAさん(34歳) 10
学歴 本国の大学を卒業後、日本の大学院を修士課程を修了 20
職歴 4年目(今の分野で) 5
年収 450万円 0
日本の大学を卒業または大学院の課程を修了 〇〇大学院知的財産修士 10
日本語能力 N1 15
加点対象となる大学 〇〇大学 10
合計 70

申請後、2週間程度で無事「高度専門職」に。

計算結果通知書がもらえる

ちなみに「高度専門職」に関する申請を行うと、入管から高度人材ポイントの点数に応じた通知書が交付されます。

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最後に永住要件をざっくり解説

「永住者」になるための要件には幾つかあるが、大きなハードルとなるのが次の3つ。

  1. 原則引き続き10年以上日本に在留、かつ、この期間のうち、就労資格または居住資格をもって引き続き5年以上在留

  2. 現に有している在留資格の在留期間が最長であること。

  3. 年収がそれなりにあること。(年齢や家族構成によるが最低でも300万円以上)ただし、未成年や被扶養者には問われない

特に1の「原則10年在留」のハードルは実際かなり高い。

Aさんの場合、まだ6年目であるし、在留期限も「1年」なので、現状は1.2のどちらも満たしていない。

そこで高度人材ポイント制のメリットである「原則10年在留に関する緩和」のbを使っていく。

■原則10年在留に関する緩和(一部抜粋)

高度人材ポイント制のポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって、次のいずれか(a、b)に該当するもの

a 「高度人材外国人」(ポイント計算の結果、70点以上の点数を有すると認められて在留している者)として3年以上継続して日本に在留していること。

b 3年以上継続して日本に在留している者で、永住申請の日から3年前の時点を基準としてポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められること。

このメリットは「永住者」になるためにはとても有用です。

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この記事を書いた人

SHINGO ITO
SHINGO ITO行政書士Office ITO 代表
IT業界で15年目リストラに遭遇し、行政書士資格を取得。
2016年,行政書士Office ITOを開設し、外国人ビザ申請に特化。
銀座を拠点に就労ビザ・配偶者ビザ・永住ビザなど実績10年。
趣味はおいしいパスタ料理(自称)と断捨離。家は小遣い制。
[ 所属団体 ]
東京行政書士会(会員番号 第11086号)
日本行政書士会連合会(登録番号 第16081519号)
[ 資格 ]
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Certified Immigration Procedures Agent(入管申請取次届出行政書士)

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