
せっかくCOEを取ってもらいましたが、本人が退職することになりCOEが不要になりました。ビザの発給や在留カードの取得はしていません。
この場合、会社として入管に何か手続きは必要ですか?
入管審査の長期化によって申請者や受入会社にも様々な事情が発生します。
今回は在留資格認定証明書(Certificate of Eligibility、COE)を取得したものの、不要となったCOEの扱いについて解説します。
Contents
COEの返納に必要な書類
結論から言うと、不要となったCOEは入管(出入国在留管理局)へ返納することがおすすめです。不要となったCOEを放置しておくと次回の申請時に不利となる可能性(後述)があります。
COEの返納はシンプルです。COE本体と返納理由書の2つだけ。
- 在留資格認定証明書(Certificate of Eligibility,COE)の原本
※紙のCOEはその原本。
※電子メールで交付された「電子COE」は、当メールをプリントアウトした紙。 - 返納理由書
入管HPにFormatがあります。
記入事項は申請番号、返納者(提出者)の氏名、申請人との関係、返納理由のみ。
返納先と返納方法
▼返納先
当該COEを交付した入管 or 最寄りの入管

▼返納方法
窓口に直接持参 or郵送で送付
※郵送の際は追跡できる郵便(書留郵便やレターパックなど)で送ると安心です。
※封筒には「在留資格認定証明書返納書類在中」と明記しておくと親切でしょう。
返納しないと将来どうなる?
「返納しなくてもCOEは有効期限切れで無効になるし、そのままでいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、入管は「COEを発行したのにこの人は入国したのか?来日を取りやめたのか?」という情報も把握しています。
例えば、とある会社がAさんを招へいする予定でCOEを取得したものの、そのCOEが不要となり返納を放置していたとします。その後、Bさんを招へいするためCOE申請をした場合、入管はAさんに交付したCOEの扱いについて確認を行う可能性があります。
このように以前取得したCOEが未返納のままだと、それが返納されるまで新しい申請の審査が進まないケースもあり得ます。不要になったCOEをきちんと返納しておかないと、記録上は「発行済みのCOEが宙ぶらりんの状態」となり、次回申請時に余計な確認や遅れを招くかもしれません。
おわりに
使わなくなったCOEの返納手続き自体はシンプルです。書類を用意して入管局へ提出するだけです。理由も「入国取りやめ」で問題ありません。きちんと返納しておくことで今後の手続きもスムーズにすることができます。COEが不要となったらそのまま放置せず返納が安心です。きちんと対応して、今後のビザ申請に備えておきましょう。
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この記事を書いた人

- 行政書士Office ITO 代表
-
IT業界で10年目リストラに遭遇し、行政書士資格を取得。
2016年行政書士Office ITOを開設し、外国人ビザ申請に特化。
銀座を拠点に就労ビザ・配偶者ビザ・永住ビザなど実績10年。
趣味はおいしいパスタ料理(自称)と断捨離。家は小遣い制。
[ 所属団体 ]
東京行政書士会(会員番号 第11086号)
日本行政書士会連合会(登録番号 第16081519号)
[ 資格 ]
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Certified Immigration Procedures Agent(入管申請取次)他
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