今回は「企業内転勤」ビザについてざっくりと解説したいと思います。

「企業内転勤」とは

「企業内転勤」ビザはその名のとおり、海外にある同じ企業内の社員を日本に転勤・出張・出向させるために必要な在留資格です。

「企業内」の範囲って

では「企業内」というと、会社名や資本が全く同じの同一企業でなければならないのかというとそういう訳でもありません。
親会社・子会社の関係でも良いし、系列企業の関連会社の関係でも問題ありません。

たとえば、

  • 「同一企業内」の転勤の場合だったら
    1. 本社(海外) ⇒ 支店(日本)
    2. 支店(海外) ⇒ 支店(日本)
    3. 支店(海外) ⇒ 本社(日本)
  • 「系列企業内」の転勤の場合だったら
    1. 親会社(海外) ⇒ 子会社(日本)
    2. 子会社(海外) ⇒ 子会社(日本)
    3. 子会社(海外) ⇒ 親会社(日本)
    4. 親会社(海外) ⇒ 関連会社(日本)
    5. 関連会社(海外) ⇒ 親会社(日本)

といったようなそれぞれのパターンがあります。

こうみると案外「企業内」の範囲は広く認められることが分かると思います。
※ 「親会社」とは、他の会社等の財務・営業・事業方針を決定する意思決定機関を支配している会社のことをいいます。
※ 「関連会社」とは、会社が他の会社の出資・人事・資金・技術・取引などの関係を通じて、事業方針の決定に際して重要な影響を与えられる関係のことをいいます。

どんな仕事ができるのか

「企業内」の定義が結構広いというのはお分かりになったと思いますが、では海外から呼ぶ転勤者は一体どういった仕事をすることができるのかというと、個人的にはこの点がこのビザの少し残念なところです。
それは「技術・人文知識・国際業務」の対象となる業務しか行えないところです。

「技術・人文知識・国際業務」の活動例

  • 機械工学等のシステムエンジニア、技術開発・設計者など理学、工学、その他の自然科学分野の技術に関する業務を行う者
  • 企画、財務、マーケティング業務、営業、通訳・翻訳、語学学校の講師、海外取引業務、服飾やインテリアデザイナーなど人文科学の分野に関する業務を行う者

要するに、「企業内転勤」ビザは日本で「技術・人文知識・国際業務」の対象となる仕事しかできないので、海外から企業内で働くコックや運送ドライバーを呼ぶことはできないということです。

ただ、「技術・人文知識・国際業務」にはひとつ“大卒”という学歴要件があるところ、「企業内転勤」にはない必要ない点は案外便利だったりします。

転勤前の勤務状況に注意

最後に「企業内転勤」は、転勤前の直前1年以上は転勤元の会社に継続して勤務していることが求められる点に注意が必要です。
“転勤”っていう以上、社内でもある程度経験のある人でなければ日本という海外には転勤させませんよね?
また、「直前1年以上」の業務内容も「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務でなければならないという細かい点もあります。
※ただし、転勤元の業務と日本で行う予定の業務内容は必ずしも一致する必要はありません。

というところで、「企業内転勤」のざっくり解説はこのぐらいにします。
じっくり解説はコチラ 
次は「介護」の在留資格をご紹介します。

最期までお読みいただきありがとうございました。
また次回もよろしくお願い致します。

 

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この記事を書いた人

SHINGO ITO
SHINGO ITO行政書士Office ITO 代表
IT業界で15年目リストラに遭遇し、行政書士資格を取得。
2016年,行政書士Office ITOを開設し、外国人ビザ申請に特化。
銀座を拠点に就労ビザ・配偶者ビザ・永住ビザなど実績10年。
趣味はおいしいパスタ料理(自称)と断捨離。家は小遣い制。
[ 所属団体 ]
東京行政書士会(会員番号 第11086号)
日本行政書士会連合会(登録番号 第16081519号)
[ 資格 ]
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Certified Immigration Procedures Agent(入管申請取次届出行政書士)

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