特定技能の制度に関する基本方針にのっとって、人材確保が困難な分野として14の特定産業分野 が定められました。
今回は、その14分野のひとつである素形材産業分野について。

素形材産業分野の運用方針

特定技能外国人を素形材産業分野へ受け入れる趣旨と目的

深刻化する素形材産業分野の人手不足に対応するため、専門性・技能を生かした現場に即戦力として就労する外国人を受け入れることで、この分野の存続・発展を図り、日本の経済・社会基盤の持続可能性を維持することが挙げられています。

私も良く知らなかったのですが、素形材産業という分野は、あらゆる金属部品を製造したり供給するために必要であり、日本の製造業の根幹を担っているといっても過言ではないとされています。
そんな日本にとって不可欠な分野であるからこそ、この分野について基本的な知識や技能をもった即戦力の外国人を受け入れていくこが、産業の基盤を維持して、この先も日本が発展していくために必要不可欠だとされています。

そもそも素形材とは

「素形材」とは、素材に熱や力が加えられ、形が与えられた部品や部材のことをいいます。具体的な素材としては、金属をはじめ木材、石材、窯材、ゴム、ガラス、プラスチックなどがありますが、最近ではファインセラミックス、複合材料も使われるようになりました。これら素材を素形材に変えるためには、鋳造、鍛造、プレス、粉末冶金などいろいろな材料加工法が使われます。

出典元:一般財団法人素形材センター

素形材産業分野への人材確保の必要性

素形材部品に対する需要が高まる中、平成 29 年度の人手不足数は、およそ3万人となっていて、このペースでいくと5年後には、6万2,000人の人手不足が生じるものと推計されています。

平成29年度の素形材産業分野の有効求人倍率は2.83倍ですが、当分野に関連する鋳物製造工は3.82倍鍛造工は4.32倍、金属プレス工2.97 倍となっている等、関連産業分野は軒並み深刻な人手不足の状況になっていることが分かります。

有効求人倍率とは 
簡単にいうと、1より大きくなると仕事の数の方が多く、働き手が足りない状況。
1を切ると、求職者の方が多く、仕事探しが困難な状況。

しかも、前述のとおり素形材部品に対する需要が高まることが見込まれる一方で、人手不足が早急に改善できる見通しは立っていない状況にあります。

受入れ見込数

素形材産業分野における向こう5年間の受入れ見込数は、最大2万1,500 人であり、これを向こう5年間の受入れの上限として運用するとされています。

人手不足の数だけにフォーカスすれば、5年後には6万2,000人の人手不足が見込まれる中、今回の受入れでは、実際の労働効率化なども考慮して5年間で最大2万1,500人を受け入れるに留まるとされています。

確かに、いくら知識や経験があるといっても新人の教育というのは業種問わず大変なんでしょう。。

見込み数を超えそうな場合は

懸念される部分の一つですが、もしこの分野への受け入れ見込み数を超える状況となった場合は、入管法の規定により在留資格認定証明書の交付の停止措置が取られる予定です。
そして同規定には停止措置がとられても、再び人材確保の必要性が生じた場合には、受け入れ再開の措置がとられることも定められています。

素形材産業分野に求められる人材基準

素形材産業分野において特定技能として受け入れられる外国人には、技能試験と日本語試験に合格することが求められます。
※素形材産業分野の第2号技能実習を修了した者も要件を満たすとされています。

なお、素形材産業分野産業機械製造業分野電気・電子情報関連産業分野の3分野においては、製造現場で従事する業務の多くが共通していることから、技能水準及び評価方法等を統一し、「製造分野特定技能1号評価試験(仮称)」として共通の評価試験を実施することも決まっています。

1.技能水準(試験区分)

製造分野特定技能1号評価試験(仮称)
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2.日本語能力水準

「日本語能力判定テスト(仮称)」

又は

「日本語能力試験(N4以上)」

その他、素形材産業分野の運用方針に関する重要事項

1号特定技能外国人が従事する業務

1号特定技能外国人が従事する業務区分は、上記の試験区分に対応し、業務区分の欄に掲げる業務とする。

特定技能所属機関(所属機関)に対して特に課す条件
  1. 特定技能所属機関は、「製造業外国人材受入れ協議会(仮称)」(以下「協議会」という。)の構成員になること。
  2. 特定技能所属機関は、協議会が行う一般的な指導、報告の徴収、資料の要求、意見の報告又は現地調査等その他に対し、必要な協力を行うこと。
特定技能外国人の雇用形態

原則直接雇用に限る。

治安への影響を踏まえて講じる措置

経産省は、基本方針を踏まえつつ、治安上の問題となりそうな事項を把握するよう努め関係機関と適切に共有していくものとする。
また、深刻な治安上の影響が生じるおそれがある場合は、基本方針を踏まえつつ、厚労省と関係機関が共同して所要の検討を行い、運用方針の変更を含め、必要な措置を講じるものとする。

特定技能外国人が大都市圏その他の特定の地域に過度に集中しないよう必要な措置を講じる

以上です。

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この記事を書いた人

SHINGO ITO
SHINGO ITO行政書士Office ITO 代表
IT業界で10年目リストラに遭遇し、行政書士資格を取得。
2016年,行政書士Office ITOを開設し、外国人ビザ申請に特化。
銀座を拠点に就労ビザ・配偶者ビザ・永住ビザなど実績10年。
趣味はおいしいパスタ料理(自称)と断捨離。家は小遣い制。
[ 所属団体 ]
東京行政書士会(会員番号 第11086号)
日本行政書士会連合会(登録番号 第16081519号)
[ 資格 ]
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Certified Immigration Procedures Agent(入管申請取次)他

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