前回に続き、今回は日本の専門学校を卒業した専門士・高度専門士の許可が下りたケースと不許可となったケースを具体的に紹介します。
参照元【「技術・人文知識・国際業務」への変更許可/不許可事例】 入国管理局 (令和6年12月25日改訂)
001413912.pdf
Contents
専門学校卒業者の事例(日本の専門学校〔専門士〕を修了した留学生)
◯許可事例(専門学校卒業者)
日本の専門学校(専門課程)を修了し「専門士」の称号を得た留学生の事例です。専門学校での専攻内容と就職先で従事する業務との関連性がポイントになります。
- マンガ・アニメーション科(専門士) – 在学中にゲーム理論・CG・プログラミング等を履修。コンピュータ関連サービス企業との契約でゲーム開発業務に従事。【許可理由】専攻で習得したスキルをそのままゲーム開発に活用しており、専門性が明確。
- マンガ・アニメーション科専門学校卒(専門士) – ゲーム開発会社でキャラクターデザインなどゲーム開発業務に従事。【許可理由】専攻で培ったアニメ・デザインの技能を活かした創作的業務のため。
- マンガ・アニメーション科専門学校卒(専門士) – アニメ制作会社で絵コンテの構成や原画作成等の創作業務に従事。【許可理由】専攻知識を活かし主体的なアニメ制作業務に携わるため。
- マンガ・アニメーション科専門学校卒(専門士) – アニメ制作会社で入社後6ヶ月間背景美術の研修を受けつつ、その後絵コンテ制作や原画作成など創作業務に従事。【許可理由】一定の研修後に主体的な創作活動を行うため。
- マンガ・アニメーション科卒 – コンピュータ関連サービス企業でゲーム開発業務に従事。【許可理由】在学中にゲーム理論・CG・プログラミング等を履修しており、専攻知識を活かした業務のため。
- 電気工学科(専門士) – 通信設備工事会社との契約で、電気工事の施工図作成や現場職人の指揮監督等に従事。【許可理由】電気工学の専門知識を要する設計・監督業務であり、専門士の技能が活かされている。
- 建築室内設計科(専門士) – 建築設計・監理会社との契約で、建築積算(コスト見積)業務に従事。【許可理由】建築分野の専門課程修了者が専門知識を要する積算業務を担当しており許可。
- 自動車整備科(専門士) – 自動車整備・販売会社との契約で、サービスエンジニアとしてエンジンやブレーキ等の重要部分の点検・整備・分解を担当。併せて整備主任者としての業務にも携わる予定。【許可理由】自動車整備の専門技能を習得済みで、整備主任者として専門業務に就くため許可。
- 国際IT科(専門士) – 在学中にプログラミング等を習得。金属部品製造会社との契約で、自社ホームページや社内システムの構築業務に従事。【許可理由】IT専攻の知識を製造業のIT化業務に活かす専門職であり許可。
- ゲームクリエーター学科卒 – ITコンサルタント企業にてゲームプランナーとして海外向けゲームの発信、ゲームアプリのカスタマーサポート業務に従事。【許可理由】ゲーム開発の知見と国際業務の経験が求められる専門性が認められる業務のため許可。
- ロボット・機械学科卒 – 工作機械設計・製造企業にて機械加工課に配属され、部品図面の確認、精度確認、加工設備のプログラム作成等の業務に従事。【許可理由】CAD実習、工業数理、材料力学等の履修内容が専門業務に直結しているため許可。
- 情報システム開発学科卒 – 電気機械・器具製造企業にて現場作業用システムのプログラム作成、ネットワーク構築業務に従事。【許可理由】プログラミングおよびネットワーク技術の専門知識が求められる業務のため許可。
- 国際コミュニケーション学科卒 – 人材派遣・育成・研修サービス事業にて外国人スタッフの接遇教育、管理等のマネジメント業務に従事。【許可理由】異文化コミュニケーションおよび接遇研修の知識が求められる業務のため許可。
- 国際ビジネス学科卒 – 飲食店経営会社の本社事業開発室にてアルバイトスタッフの採用、教育、入社説明資料の作成業務に従事。【許可理由】ホテル演習やビジネスマナー等の履修内容が業務内容に適合するため許可。
- 観光・レジャーサービス学科卒 – 大型リゾートホテルにて総合職としてフロント業務、予約管理、コンシェルジュ業務、顧客満足度分析等に従事。【許可理由】観光地理、旅行業務、ホスピタリティ論等の専門知識が業務に適合するため許可。
- 工業専門課程ロボット・機械学科卒 – 金属工作機械製造企業にて初年度研修後、機械の精度調整、加工設備のプログラム作成、工作機械の組立作業に従事。【許可理由】プロダクトデザイン、材料力学等の履修内容が製造業務に直結しているため許可。
- 法律実務学科卒 – コンビニエンスストアにて店長補佐として採用され、実務研修後に店長へ昇進、マーケティングや店舗運営・管理業務に従事。【許可理由】法律やマーケティング知識を活かした店舗管理業務として専門性が認められるため許可。
- デザイン科専門学校卒(専門士) – デザイン事務所でデザイナーとして創作業務に従事。【許可理由】専攻したデザイン知識を活かした創造的業務のため。
- デザイン科専門学校卒(専門士) – 服飾企業でファッションコーディネーターとして商品の企画・販促やディスプレイ考案業務に従事。【許可理由】専攻知識を活かしたファッション分野の業務のため。
- デザイン科専門学校卒(専門士) – 服飾企業に海外広報担当として採用され、3ヶ月の店舗販売研修を経て本社で海外広報業務に従事。【許可理由】所定の研修後に専攻知識を活かした広報業務に就いているため。
- デザイン科専門学校卒(専門士) – 服飾企業でパタンナーとして裁断・縫製など一部製造工程を伴う創作業務に従事。【許可理由】専攻知識を活かし、制作過程に創造性を発揮する業務のため。
- 美容科(専門士) – 化粧品販売会社に正社員採用され、ビューティーアドバイザーとして店頭活動を通じた美容製品の企画開発やマーケティング業務に従事。【許可理由】美容分野の専門知識と技能を活かし、商品開発・販売戦略という専門的業務に携わるため許可。
- 美容専門課程専門学校卒(専門士) – 化粧品会社で海外進出準備の企画・マネジメント業務に従事。【許可理由】専攻した美容の知識を活かした企画管理業務のため。
- 美容専門課程専門学校卒(専門士) – ヘアウィッグやエクステ等の製品開発・営業販売業務に従事。【許可理由】専攻知識を活かした美容製品の開発・販売業務のため。
- 栄養管理課程専門学校卒(専門士) – 食品会社で研究開発業務に従事。【許可理由】栄養管理の専門知識を活かした食品開発業務のため。
- 経営学系学科専門学校卒(専門士) – 飲食チェーンに海外展開担当として採用され、本社研修2ヶ月と店舗販売研修3ヶ月を経て、本社で海外展開業務に従事。【許可理由】所定の研修後に専攻知識を活かした海外事業業務に就くため。
- 国際コミュニケーション学科卒 – 人材派遣・研修サービス企業で外国人スタッフの接遇教育・管理等のマネジメント業務に従事。【許可理由】専攻科目(異文化コミュニケーション等)を活かした人材マネジメント業務のため。
- 国際ビジネス学科卒 – 飲食店経営企業の本社事業開発室でアルバイトスタッフの採用・教育や入社説明資料の作成業務に従事。【許可理由】専攻科目(観光概論・マーケティング等)を活かした人材管理業務のため。
- 観光・レジャーサービス学科卒 – 大型リゾートホテルの総合職として、主にフロントでの通訳・翻訳、予約管理、コンシェルジュ業務、顧客分析等に従事(必要に応じレストラン配膳や客室清掃も担当)。【許可理由】職務の中心が専攻知識を活かすフロント業務であり、非専門業務も日本人社員と同様の研修範囲に収まっているため。
- 工業専門課程(ロボット・機械学科)卒 – 金属加工機械メーカーで研修後、機械の精度調整・加工プログラム作成・加工工具選定・機械組立等の業務に従事。【許可理由】同種業務に就く日本人従業員も大卒相当で待遇も同等であり、専門知識を要する職務に就くため。
- 専門学校(翻訳通訳コース)卒(専門士) – 外国人客が多い旅館でフロントにて外国語案内、館内表示の多言語化対応やホームページ翻訳等に従事。【許可理由】専攻で習得した語学力を活かした宿泊業務のため。
- 専門学校(ホテル・ビジネス科)卒(専門士) – 外国人宿泊客が多数を占めるホテルで、学んだ知識を活かしてフロント業務や宿泊プラン企画業務に従事。【許可理由】専攻知識を活用したホテル業務に従事するため。
- 翻訳・通訳学科卒 – 出版社で出版物の翻訳業務に従事。【許可理由】通訳概論・翻訳技法など翻訳通訳に特化した科目を履修しており、翻訳実務に必要な専門知識を修得しているため。
☓不許可事例(専門学校卒業者)
専門学校卒業者の場合、職務内容が専攻と関連していない場合や、専門知識・技能を要しない単純業務に就こうとする場合、また専門課程で必要な科目を履修していないと判断される場合に不許可となります。また、在学中の素行不良(出席率や資格外活動違反)も大きなマイナス要因です。
- 日中通訳翻訳学科卒 – 輸出入企業で契約書翻訳・商談通訳(月17万円)に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】同時採用された日本人新卒(同種業務)の月給20万円を下回り、日本人と同等額以上の報酬とは認められなかったため。
- 通訳・翻訳専門学校卒 – ビル清掃会社で留学生アルバイトへの通訳及びマニュアル翻訳に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】留学生アルバイトは通常十分な日本語力を有しており通訳の必要性が低いこと、またマニュアル翻訳は常勤の業務ではなく業務量が不十分なため。
- 翻訳・通訳専門学校卒 – 飲食店の店舗で通訳・翻訳業務に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】通訳業務の実態は英語で注文を受ける程度で接客の一部に過ぎず、翻訳業務もメニュー翻訳のみで業務量が認められないため。
- 情報システム工学科卒 – 飲食店経営企業で会計管理(売上・仕入・経費)や労務・予約管理業務(月25万円)に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】従業員12名規模の会社では会計・労務は主要業務となるほどの分量がなく、予約受付も電話対応程度で専門知識を要しないため。
- 専門学校在籍中の者(出席率70%) – 卒業後の就労申請だったが不許可。【不許可理由】出席率不良の理由について病欠と説明していた期間に資格外活動(アルバイト)に従事していたことが発覚し、素行不良と判断されたため。
- (企業)ビルメンテナンス会社 – 通訳・技術指導業務を行う予定で採用申請があったが不許可。【不許可理由】将来受け入れる外国人社員への対応と称しつつ、受入れ計画が具体性に欠け、採用後は研修名目で清掃業務に従事させようとしており、「技術・人文知識・国際業務」に該当しないため。
- (企業)ホテル – フロントスタッフ(予約管理・通訳)として採用される申請があったが不許可。【不許可理由】入社後1年間は研修としてレストラン配膳・客室清掃に従事させる計画で、過去に同様に採用された外国人が研修を大幅に超えて非専門業務に従事していた事実が判明したため。
- (企業)人材派遣会社 – 翻訳・通訳業務に従事する派遣社員として申請があったが不許可。【不許可理由】派遣契約書の職務は「店舗スタッフ」であり、派遣先の小売店で接客販売に従事する予定と判明、「技術・人文知識・国際業務」に該当しないため。
- 工学系卒 – 電気部品の加工工場にて部品の加工、組み立て、検査、梱包業務に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】同工場内の技能実習生と業務内容がほぼ同一であり、専門的な知識を要する業務と認められなかったため。
- 栄養学科卒 – 菓子工場にて洋菓子の製造業務に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】製造業務が反復訓練で習得可能な作業であり、専門的な知識を要する業務と認められなかったため。
- マンガ・アニメーション科専門学校卒(専門士) – アニメ制作会社で背景美術の色付け等の補助業務にのみ従事しようとしたが不許可。【不許可理由】主体的な創作活動を伴わない補助的業務のみで専門性が認められないため。
- イラストレーション学科卒 – 人材派遣会社の契約で外国人客が多い店舗にて通訳を伴う衣類販売業務に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】業務実態は母語を活かした接客販売であり、専攻科目(色彩・デザイン等)との関連性が認められず、翻訳・通訳の実務経験もないため。
- 声優学科卒 – ホテルのロビースタッフ(翻訳・通訳業務)に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】声優学科での専攻内容と職務内容(通訳・翻訳)の関連性が認められなかったため。
- ジュエリーデザイン科卒 – コンピュータ関連サービス企業で外国人顧客対応(相談対応・通訳・翻訳)業務に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】専攻科目(ジュエリーデザイン)と職務内容との関連性が認められなかったため。
- 国際情報ビジネス科卒 – 中古電子機器の輸出販売会社で電子製品の検品・修理業務(月18万円)に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】業務内容(データ保存・バックアップ作成・部品交換等)が専門知識を要しないため、「技術・人文知識・国際業務」に該当しないため。
- 国際ビジネス学科卒 – 不動産業者の営業部に配属され販売営業に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】専攻科目の中心は英語であり、不動産販売業務との関連性が認められず、また当該業務の実務経験もないため。
- 国際ビジネス学科卒 – 商社の海外事業部で商談通訳および契約資料の翻訳業務に従事。【許可理由】貿易論など経営学系科目を中心に履修しつつ、ビジネス通訳実務・翻訳実務等の科目も履修しており、必要な専門知識を有するため。
- 情報システム工学科卒 – 飲食店経営企業で会計管理(売上・仕入・経費)や労務・予約管理業務(月25万円)に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】従業員12名規模の会社では会計・労務は主要業務となるほどの分量がなく、予約受付も電話対応程度で専門知識を要しないため。
- ベンチャービジネス学科卒 – バイク修理・改造・輸出入会社でバイクの修理・改造業務(月19万円)に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】業務内容(フレーム修理やタイヤ交換等)が専門知識を要しない作業で、「技術・人文知識・国際業務」に該当しないため。
- ジュエリーデザイン科卒 – コンピュータ関連サービス企業で外国人顧客対応(相談対応・通訳・翻訳)業務に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】専攻科目(ジュエリーデザイン)と職務内容との関連性が認められなかったため。
- 商学部卒 – 新設ホテルに採用され業務に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】予定業務が駐車場誘導やレストランでの配膳・片付けで、「技術・人文知識・国際業務」に該当する専門業務ではなかったため。
- 服飾デザイン科専門学校卒(専門士) – 旅館のフロント業務に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】専門学校での専攻内容とフロント業務との関連性が認められなかったため。
- 国際ビジネス専門学科卒 – 日本語・英語を中心に経営学・経済学を履修したが不許可。【不許可理由】当該学科の日本語科目が会話・読解・聴解・漢字等の基礎レベルに留まり、通訳・翻訳業務に必要な高度な日本語を専攻したとは言えないため。
- ホテルサービス・ビジネス科専門学校卒(専門士) – ホテルのフロント業務に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】提出資料により、採用後最初の2年間は研修名目でレストラン配膳・客室清掃に専従させる計画が判明し、在留期間の大半が非専門業務となるため。
- CAD・IT学科卒 – 専門科目でCAD・情報処理等を履修し一般科目で日本語も学んだが、日本語科目の取得が卒業単位の約2割にとどまったため不許可。【不許可理由】履修した日本語科目は留学生向けの基礎レベルであり、翻訳・通訳業務に必要な高度な日本語を専攻したとは認められなかったため。
- 国際コミュニケーション学科卒 – 新規海外事業分野で通訳担当として申請があったが不許可。【不許可理由】成績証明等から日本語科目の成績がいずれも最低評価(C)で、日本語能力検定等の資格も保持しておらず、適切に翻訳・通訳業務を行える能力が確認できなかったため。
- 日本語・日本文化学科卒 – 人材派遣・物流企業で商品仕分けアルバイト現場の巡回通訳に従事しようとしたが不許可。【不許可理由】具体的には自らも仕分け作業を行いながら指示を伝える程度で、通訳業務の量が十分ではないため。
- 美容学科専門学校卒(専門士) – 美容師やネイリストとして従事しようとしたが不許可。【不許可理由】美容師・ネイリストは国家資格を要する技能職であり、「技術・人文知識・国際業務」に該当しないため。
- 美容学科専門学校卒(専門士) – 化粧品会社に雇用され海外展開準備の企画業務に1年間従事する申請だったが不許可。【不許可理由】同社で同業務に就く日本人は4ヶ月の研修で済むところ、当該外国人には店舗を替えながら1年間販売研修をさせる計画が判明し、研修名目で長期に非専門業務(販売・接客)に従事させる内容だったため。
- 経営学系専門学校卒(専門士) – 飲食チェーンで3年間海外展開業務に従事する申請だったが不許可。【不許可理由】審査の結果、入社後2年間は研修名目で店舗での調理・接客業務に従事させる計画が判明し、在留期間の大半が専門外業務となるため。
- デザイン科専門学校卒(専門士) – 服飾企業で裁断・縫製等の制作作業のみ従事しようとしたが不許可。【不許可理由】創造性を要しない単純作業であり、「技術・人文知識・国際業務」に該当しないため。
- デザイン科専門学校卒(専門士) – 衣料品販売店で接客・販売業務のみ従事しようとしたが不許可。【不許可理由】専攻知識が活かされない販売業務のみで専門性が認められないため。
- (経理専攻)専門学校卒(専門士) – アパレルショップで販売業務のみ従事しようとしたが不許可。【不許可理由】専攻分野と無関係な販売業務であり、専門知識が活用されないため。
審査通過のためのチェックポイント
- 「技術・人文知識・国際業務」ビザ申請を成功させるには、以下のポイントを満たすことが重要です。職務内容の専門性・関連性:自分の専攻分野と職務内容ができるだけ直結していること。例えば経済学専攻者が経理・金融分野の業務に就く、情報工学専攻者がIT開発業務に就く、といったように、大学や専門学校で学んだ知識を活かせる職種であるかを確認しましょう。
- 単純労働ではないこと:コンビニ店員や工場作業、清掃など専門知識を必要としない業務は対象外です。たとえ正社員であっても、研修名目で長期間にわたり単純労働に従事する計画は認められません。求人票や雇用契約書の職務内容をチェックし、専門性が明示されているか確認しましょう。
- 日本人と同等以上の報酬:給与水準は重要な審査ポイントです。他の日本人新卒社員と比べて極端に低い給与(例えば日本人18万円に対し自分13.5万円等)は不許可の原因となります。一般的な初任給水準か、それ以上の待遇を提示してもらいましょう。
- 在留中の遵法態度:留学中の出席率や資格外活動の遵守状況も見られます。不法就労や週28時間超のアルバイトをしていた履歴があると審査に大きく響きます。日頃から法律と学校規則を守り、良好な在留実績を残すことが大前提です。
- 企業の信頼性:受入企業の実態や計画も審査対象です。実体のない会社や、事業計画が不明確な部署への配属は疑念を持たれます。内定先企業がしっかり事業を営んでおり、あなたを専門職種で必要としていることが客観的に示されることが重要です。必要に応じて企業側にも協力してもらい、業務内容の詳細や将来計画を入管に説明できるよう準備しましょう。
まとめ
留学生から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更は、専攻と職種のマッチングと適正な雇用条件、そして良好な在留状況が揃って初めて許可されます。本記事で紹介した事例からも、専門知識を要する仕事に就くこと、待遇が日本人と同等以上であること、学生時代に規則違反をしていないことなどが合否を分けるポイントであると分かります。幸い、日本の大学を卒業している場合は専攻と職務の関連性について柔軟に判断される傾向もあり、母語を活かす通訳・翻訳・語学教師も特例的に認められています。一方で、どんなに高学歴でも単純労働や違法就労歴があれば不許可になります。
ポイントは、「学んだことを活かせる専門的な仕事に就く」ことと「日本人と対等の待遇」で雇用されることです。その上で、提出書類を通じてそれを入管に的確に伝えましょう。企業の協力を得て職務内容や役割を詳細に説明し、必要なら補足資料の提出も検討してください。適切な準備を行えば、きっと在留資格変更の審査もスムーズに通過できるでしょう。専門分野での日本での活躍を応援しています!
この記事を書いた人

- 行政書士Office ITO 代表
-
IT業界で10年目リストラに遭遇し、行政書士資格を取得。
2016年,行政書士Office ITOを開設し、外国人ビザ申請に特化。
銀座を拠点に就労ビザ・配偶者ビザ・永住ビザなど実績10年。
趣味はおいしいパスタ料理(自称)と断捨離。家は小遣い制。
[ 所属団体 ]
東京行政書士会(会員番号 第11086号)
日本行政書士会連合会(登録番号 第16081519号)
[ 資格 ]
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Certified Immigration Procedures Agent(入管申請取次)他
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