在留資格の審査期間って長いですよね。

先日申請中の案件をご本人のやむを得ない事情により申請の取下げ(キャンセル)をしてきました。

正確に言うと、申請後の許可が下りてからの取下げでしたが、許可が下りた後であっても一定の期間であれば申請の取下げは可能です。
審査の期間が長ければ長い程様々な状況が発生するので、こういった取下げを行う場面も多々あるかと思います。

※2019/9/11更新
取下げ書を修正しました。

今回は、そんな地味ながらも利用頻度が結構ある取下げについて詳しく説明していきます。

入国管理局への申請取下げとは

1.法的根拠

明確な規定は多分ありません。

いきなりあまり説明になってないかもしれませんが・・・

少なくとも入管法(出入国管理及び難民認定法)、施行規則、それら関連する省令に取下げに関する規定はありません。
なので、定まった形式やフォーマットもありません。

それもそのはず。

なぜなら、

取下げという行為は自由であるため。

世の中全ての取下げという行為が自由という訳ではありませんが、そもそも個人が行った申請をその個人が取下げるという行為に行政が何らかの制限や制約を設ける方が不自然であって、取下げという行為は本質的に本来自由であるべきという考え方があります。

繰り返し言いますが、現状入管におけるあらゆるビザ申請において取下げに関する規定はありません。

2.取下げを行う場面とタイミング

取下げを行う場面は主に2つあると思います。

  1. 申請後、審査中取下げる
  2. 申請後、入管からの指摘により取下げる

いずれの場面であっても取下げは可能です。
ただし、2の場面についてはナルハヤで取下げをすべきであることは言うまでもありません。

3.取下げができる人

  1. 申請人本人
  2. 法定代理人や代理人
  3. 取次者

2の法定代理人とは、例えば親や配偶者のこと。
代理人とは、例えば本人が雇用されている機関の職員のこと。
3の取次者とは、申請取次の資格をもつ行政書士や弁護士のことだと考えてもらっていいのですが、取次者が取下げをすることが出来るかどうかについては、実は明確でないところもあると思います。
可能である前提としては、当該申請を行った時と同じ取次者が1の申請人や2の代理人の承諾を得た上でなければなりません。取次者は、あくまでも取次者であり、代理人ではないからです。
なお、本人以外が取下げを行う際には身分証明書の提示が求められます。

4.取下げ書に記載する事項(サンプル付)

上述のとおり、取下げに関する形式的な規定はありませんが、口頭・FAX・メールでは認められません。(郵送はOK)

取下げは書面で行う必要があり、取下げ書として最低限以下の項目を記しておきます。

  • 取下げ日
  • 申請者の氏名・国籍
  • 申請を行った年月日
  • 申請番号
  • 取下げの理由
  • 本人の署名
▼サンプル

※あくまで一例です

5.取下げに必要なもの

申請人本人が行う場合
  1. 在留カード(在留している外国人の場合)
  2. パスポート
  3. 取下げ書(本人署名入り)
  4. 申請受付票
  5. 許可通知ハガキや在留資格認定証明書
    ※許可が下りた後に取下げを行う場合
代理人や取次行政書士が行う場合
  1. 身分証明書
    例:雇用機関職員である場合等は社員証や保険証、取次証明書など
  2. 取下げ書(本人署名入り)
  3. 申請受付票
  4. 許可通知ハガキや在留資格認定証明書
    ※許可が下りた後に取下げを行う場合

申請受付票

 

許可通知ハガキ

取下げ書の控えも忘れずに

取下げ書は原本とそのコピー併せて2部持っていくと良いでしょう。
入管は、取下げを行ってもそれを受付けたという受領書はくれません。
従って、我々がお客さんからの依頼で取下げを行う際には、本人への証明のためにも控えを用意しておいて、それに入管局の受領印をもらっておくことが望ましいはず。

念のため

6.取下げの方法

  1. 入管局に5.必要なものを持参して直接行く。
    (品川入国管理局の場合、2階W1カウンター)
  2. 入管局に郵送する。
    (受領印が欲しい場合は、返送用封筒と切手を忘れずに)

いずれか2択です。

最後に

取下げという行為は最初にも言いましたように、法令上特に規定されているものではありません。
なので、仮に取下げを行うべき事情があったとしても必ずしも取下げという行為をしなければならない訳でもありません。
つまり、取下げするしないは基本的には任意ということです。

ただし、

私はお客様に取下げ事由が発生したら、放置しても本人の利益にプラスになることは何一つないため、速やかに申請取下げを行っています。

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この記事を書いた人

SHINGO ITO
SHINGO ITO行政書士Office ITO 代表
IT業界で10年目リストラに遭遇し、行政書士資格を取得。
2016年,行政書士Office ITOを開設し、外国人ビザ申請に特化。
銀座を拠点に就労ビザ・配偶者ビザ・永住ビザなど実績10年。
趣味はおいしいパスタ料理(自称)と断捨離。家は小遣い制。
[ 所属団体 ]
東京行政書士会(会員番号 第11086号)
日本行政書士会連合会(登録番号 第16081519号)
[ 資格 ]
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Certified Immigration Procedures Agent(入管申請取次)他

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