外国人マッサージ師を講師として採用したい

都内で介護福祉士養成学校を運営しています

当社は都内にある介護福祉士などを養成する専門学校運営法人です。
ご存知のとおり近年介護業界では社会的な需要が高まり、当校の学生にもより質の高い養成講義での教育が求められています。
そこで、養成講義の一つに中国式マッサージのカリキュラムを編成し、介護の現場で更に有効なスキルを学生に修得させるべく中国から本場のマッサージ師を講師として呼ぶことになりました。
その中国人マッサージ師は中国の大学を卒業し、マッサージ師としての訓練校を経て既にマッサージスクールで講義なども行なっている実力の持ち主で当校の講師として雇用契約を交わす予定です。
このマッサージ師を日本に呼び寄せるにはどのような手続きが必要なのでしょうか。

必要な手続きはざっくり3つ

外国人を日本に呼んで雇用するためには、次の1〜3のステップが必要です。

1.まず雇用会社の本店所在地を管轄する入管に在留資格認定証明書交付申請という申請を行います。

https://office-immi-lawyer.com/blog/immigration-law/application-place/

2.許可がでると在留資格認定証明書が交付されるので、この原本を中国にいる本人へ国際郵便EMSなどで送ります。
3.あとは本人が在外公館(在中華人民共和国大使館など)で査証(ビザ)の取得申請をします。問題なければ申請後、1週間ぐらいで査証(ビザ)がもらえます。査証(ビザ)はパスポートにシールで貼られます。
査証(ビザ)の取得に必要な書類や方法について(外務省HPへ)

以上

これで日本への入国準備は揃ったので、2の在留資格認定証明書に記載の年月日から3ヶ月以内に来日します。

在留資格認定証明書の下部に記載がある

ポイントは最初の在留資格認定証明書交付申請

ステップはざっくり3つの行程で説明できますが、重要なのは1の在留資格認定証明書交付申請です。

長ったらしい名称なので”認定申請”と言ったりしますが、この申請は出せば許可されるといったものではなく、次の3要件を抑えないと不許可となってしまう性質の手続きです。

不許可となると、せっかく雇用した外国人であっても日本で就労することができないので重要な申請手続きといえます。

今回のケースであるマッサージ師を中国から講師として呼ぶための3つの要件を丁寧に説明します。

1.どんな在留資格に該当するか → 今回は「教育」

まず、申請人である外国人が行おうとする活動がどの在留資格に該当するのかを検討します。

今回は専門学校でのマッサージ講義の講師として就労する活動ですので、この活動は「教育」という在留資格に該当することになります。

2.申請人(マッサージ師)が基準をクリアしているのか

在留資格「教育」には学歴・資格の基準・実務経験5年といった基準が設けられているため、その外国人には履歴書、卒業証明書、実務経験証明書、マッサージ師の資格証や免許証を準備してもらいます。

今回の外国人は中国で大学を卒業しているので学歴要件はOKです。

また、本国の職業訓練校やマッサージスクールで講師をしてこの経歴が5年以上あれば資格や実務経験の基準もOKです。

さらに、報酬要件というものがありますが、これは外国人への報酬額も「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等学以上の報酬」でなければならないという規定です。

外国人だからといって不当に安い給料ではダメということです。

3.相当性はあるのか

最後の「相当性」というのは抽象的な感じですが、明確に示されていて

①申請内容に信ぴょう性はあるのか

②雇用会社での就労活動は安定的かつ継続的に行われるのか

という点が審査されます。

今回のケースであれば、

  • 申請書類の履歴書や資格証に疑義はないか
  • 専門学校の規模や生徒数、カリキュラム内容などから検討して本当に中国からマッサージ師を講師として呼び寄せる必要があるか

という点について意識して申請する必要があります。

本人が準備した資料については事実を確認し、2点目については例えば講座内容のカリキュラム表や学校の規模などを示す資料を提出し、信ぴょう性と安定的かつ継続的であることを証明します。

このほか、例えば学校で住居を用意したり、講義に慣れるまでの間、通訳スタッフを配置する体制があることの説明があれば、より①②が見込まれ審査のプラス材料となります。

※ 上記資料の提出で許可が保証されるものではありません。
※ 発行される証明書は全て、発行日から3か月以内のものを用意してください。
※ 代理人、申請取次者、法定代理人が申請する場合、身分証の提示が必要です。
※ 資料が外国語の場合、訳文(日本語)が必要です。
※ 申請後の審査過程によっては、上記以外の資料を求められる場合もあります。

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この記事を書いた人

SHINGO ITO
SHINGO ITO行政書士Office ITO 代表
IT業界で15年目リストラに遭遇し、行政書士資格を取得。
2016年,行政書士Office ITOを開設し、外国人ビザ申請に特化。
銀座を拠点に就労ビザ・配偶者ビザ・永住ビザなど実績10年。
趣味はおいしいパスタ料理(自称)と断捨離。家は小遣い制。
[ 所属団体 ]
東京行政書士会(会員番号 第11086号)
日本行政書士会連合会(登録番号 第16081519号)
[ 資格 ]
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Certified Immigration Procedures Agent(入管申請取次届出行政書士)

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