「留学」をはじめ、何かしらの在留資格に基づく在留カードがあって在留している外国人は、原則として許可された在留資格に応じた活動のみ行うことができます。
なので、例えば「技術・人文知識・国際業務」をもったIT系会社で勤務しているAさんは、休日や仕事帰りに居酒屋でアルバイトをして収入や報酬を得ることはできません。

なぜなら、許可されている在留資格というのは、申請時の目的である就労や留学などといった特定の目的を行うために許可されているものであるため、それ以外の許可されていないアルバイト等の活動で収入や報酬を得ることは認められていません。

考えてみたらそうです。

申請の際、入管の審査官からしてみれば、『申請書類にない活動をするなんてそんなの聞いてないよ。』ということになるからです。

資格外活動許可とは

しかし、首都圏ではコンビニをはじめ、カフェや居酒屋では外国人留学生と思われる学生アルバイトばかりです。特にコンビニは中国人留学生が非常に多いです。

彼らのように外国人留学生でもアルバイトするため必要な許可が「資格外活動許可」です。

アルバイトを行う前に、あらかじめ資格外活動許可を得た外国人は以下2つの要件を満たすことで、適正な形でアルバイトすることが認められます。

  • アルバイト(資格外活動)を行うことで、本来の在留資格の活動が妨げられないこと。
  • そのアルバイト(資格外活動)が風俗営業等でないこと。

本来の在留資格の活動が妨げられないこと。とは

具体的には、週28時間以内までということです。

ただ、大学生には夏期・冬期の長期休暇があるので、そういった学校の休業期間中は1日8時間以内までなら認められています。

風俗営業等でないこと。とは

風俗営業が何を指すのかというと、キャバクラ、ガールズバー、ナイトバー、パチンコ、麻雀店、ゲームセンターなどです。もちろん、性風俗関連や出会い系バイトもNGです。

では、そういった仕事の裏方である厨房や皿洗いだけならどうなの?と聞かれることがありますが、それもNGで認めてもらえません。

資格外活動許可を受けないでアルバイトすると

「留学」や「家族滞在」といった就労が認められていない在留資格で在留する外国人が、アルバイトすることは不法就労として明確に禁止されています。

日本に在留している外国人は資格外活動許可という許可を受けなければ、今自分が保有している在留資格の範囲を超えてアルバイトをすることができません。

違反してアルバイトを続けると刑罰の対象となります。

少しでも犯したら即罪に問われる、という性質のものではありませんが、悪質なケースの場合、不法就労として処罰され、退去強制されることもあります。

雇用主に対しても罰則

外国人留学生はキャバクラ、ガールズバー、スナック、パブ等といった業種には本来はアルバイトをすることができないので、雇用側も外国人留学生をアルバイトとして採用する際には、いくつかの注意点を確認して慎重になる必要があります。

なぜなら、両罰規定といって雇用する方にも不法就労助長罪という罰が問われるため、そんな法律しらなかったでは済みません。

不法就労助長は3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はこれを併科となっているのでかなり重い罪といえます。

外国人留学生をアルバイトとして雇用する際、必ず確認すること

2つの採用前の注意点
  • 面接時に在留カードとパスポートを持参してもらう。
    それぞれ在留期間や有効期限が切れていないか
  • 資格外活動許可を得ているか。
    在留カードの「資格外活動許可欄」に「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く)」と記載があるかどうかをチェック。併せてその資格外活動許可にも期限が定められているのでそれもチェック。
採用後の注意点
  • 「週28時間まで」を守る。
    外国人留学生が資格外活動許可を得て、アルバイトすることができる時間は原則として週28時間以内です。

平均すると一日4時間程となるので、中には『もっとバイトして稼ぎたい』『もっとシフトの時間を増やして欲しい』なんて要望もあるかもしれませんが、この週28時間という縛りは雇用側にも課せられている規制でもあります。

多くの業界で人手不足が叫ばれていますが、人手が足りないからといって不法な就労を助長すると逮捕されてしまう可能性があります。

1件から御対応承っております。ご連絡心よりお待ちしております。03-4361-4503受付時間 9:00-18:00 [ 土日祝以外 ]

お気軽にお問い合わせください Please free to contact us.

ビザ関連情報をお届けします。
よかったらいいね /フォロー をお願いします。

この記事を書いた人

SHINGO ITO
SHINGO ITO行政書士Office ITO 代表
IT業界で15年目リストラに遭遇し、行政書士資格を取得。
2016年,行政書士Office ITOを開設し、外国人ビザ申請に特化。
銀座を拠点に就労ビザ・配偶者ビザ・永住ビザなど実績10年。
趣味はおいしいパスタ料理(自称)と断捨離。家は小遣い制。
[ 所属団体 ]
東京行政書士会(会員番号 第11086号)
日本行政書士会連合会(登録番号 第16081519号)
[ 資格 ]
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Certified Immigration Procedures Agent(入管申請取次届出行政書士)

ビザ関連情報をお届けします