【事例紹介】インターンシップの許可「特定活動」

1月14日から外国人の新規入国者の入国がまた全面停止になりましたね。
2月7日に緊急事態宣言の解除がされる見込みらしいですが、果たしてどうなるんでしょうね。

ビジネストラック・レジデンストラック・全世界を対象とした新規入国(一時停止)
外務省HPより

外国人の入国制限については、もっと早くに徹底した制限をするべきだったという見方が今の大勢だと思いますが、

ウチも含め外国人に関わる方はビジネストラックやレジデンストラックの制度で救われた面も大きかったと思います。

「ビジネストラック・レジデンストラック」とは
ざっくりいうと、比較的感染の落ち着いている外国を対象として相手国での医療機関からの陽性証明書やら14日間の健康モニタリングを取った上で、日本での活動内容や日本での受入機関による誓約書、上陸時の空港検査、入国後の健康モニタリング、公共交通機関の利用不可などなど大きな制限を守ることが証明された人だけに認められる特別な上陸制度。

というわけで、そんなレジデンストラックのおかげで救われたインターンシップの案件があったのでご紹介。

緊急事態宣言の中でインターンシップ申請

きっかけは知り合いからの紹介でした。

  • 「沖縄でインターンシップ受入の準備をしている会社があるが、行政書士が見つからず困っているそうだ。」と。

状況を詳しく聞くと

  • その困っている会社は2件のインターンシップ案件を抱えていた
  • 既に1件のインターンシップ案件(受入先はホテル)は地元沖縄の行政書士事務所に依頼済みだった。
  • しかし、最近その申請が不許可となってしまった。
  • 学生や受入先のホテルのタイミング等が合わないため、再申請も見込めない。
    →この案件はボツ。
    (インターンシップは学生の活動なので、開始時期がズレると再調整がほぼ効かない)
  • 今回のもう1件のインターンシップ案件を同事務所にあらためて依頼するかどうか迷っている。
  • 他に適当な行政書士事務所がいれば任せたい。
  • おかしなウィルスも流行ってきてるらしいのでなる早で申請してほしい。(1,2月頃のはなし)

こんなような感じの状況でした。

mountain covered snow under star

インターンシップとは

そもそも、インターンシップというのは外国の大学生が学業の一環として日本の企業で実習を行う活動。のことです。

与えられる在留資格は「特定活動」

受入企業から給料を得られるのも大きな特徴です。

在留可能な期間は1年を超えない範囲でかつ、通算して修業年限の2分の1を超えない期間。

学業の一環なので単位も取得しつつ、日本語も実践して学べるのでなかなか魅力的な制度です。
(自分の学生時代にもこんな制度があったら使ったみたかったものです)

そんな魅力ある制度ということもあり、是非ウチの事務所に任せてほしい!とお願いしました。

インターンシップ案件は扱ったことがありませんでしたが。。。

初インターンシップ案件の結果は

結論からいうと、審査に224日も要しましたが無事許可となりました。

200日超も審査日数がかかって“無事”と言えるかどうかは怪しいとこですが (-_-;)

なぜ、そんなに審査が延びたのかというと、

申請したのが昨年、2020年の4月上旬。

そう。

ちょうどコロナに関する初の緊急事態宣言が出たばかりのときでした。

申請先は福岡の入管でもいいので、沖縄まで行く必要はないものの、

東京からわざわざ来ていることに若干の罪悪感もおぼえつつ、

朝一で福岡まで飛んで申請をさっさと終え、ラーメンだけ食べて帰ってきたことを覚えてます。

福岡入管からの追加質問

審査が200日もかかった具体的な理由。

申請内容の予定では沖縄での実習開始が6,7月というプラン。

しかし、7月になっても結果が出なかったので、ダメだったのかと半ば諦めかけていた8月のある日、

福岡入管からウチの事務所に電話がありました。

  • 「コロナ禍で本国の学生や大学も色々事情が変わっていると思いますが、このインターンシップ活動の予定はどうなりますか?」

入管の審査官との数分程度の会話でしたが、明確には言わない(立場上言えない)までも
“申請内容には問題なく通常なら許可を出している案件”
である雰囲気をだしつつ、

  • 「インターンシップの開始予定の時期を過ぎているので、現在の状況を踏まえた大学側の意向と受入企業の意向を書面でとって追加で提出してほしい。」

要するに、在学期間との兼ね合いもあるので“活動プランが予定通りいかない”理由で不許可になってもおかしくないけど、“活動プランのリスケが可能なら許可だしますよ。って連絡です。

その旨を速攻で関係者に伝えました。

この頃にはもう世界中がコロナでてんやわんやになっていたので、学生達も大学側もインターンシップを進めたい意思に変わりはないもののスケジュールの再調整に時間がかりました。

ただ、それよりも学生達を受入れる企業側の準備の再調整に時間がかかりました。

追加資料の準備に時間は要したものの、

何とか3者ともに“インターンシップを実施することに相違はない”旨の追加資料を入管に再提出し、

更に審査で待たされること約4週間。

11月中頃、ようやく許可がでました。

手にしたときは本当にうれしかった

受入企業の心意気

今回の受入企業は数店舗の飲食店を経営しつつ、沖縄ならではの水産業や牧場など広く事業を行う会社です。

“企業側の準備の再調整”

さらっと言いましたが、インターンシップ学生らの実習の場は各店舗の飲食店です。

ご存じ観光客の減少・営業時間の時短などによって沖縄では多くの飲食店でダメージがでているため、今回のインターンシップ受入も本来なら会社の経営都合で停止になっても何らおかしくありません。

日本語もままならない外国の学生に店舗スタッフとして、一から仕事を教えるというのは結構なタスクでしょう。

ところが、

当受入会社の社長曰く、

「せっかくの機会。学生のうちに日本で働いて経験を積める機会を奪うのは可哀そうだ。」

とか

レジデンストラックで求められる14日間の滞在先確保に困っていることを相談すると

「学生らの寝泊まりする部屋はずっと確保したままだよ。早く沖縄に来ればいい。コッチで面倒みる。」

と仰ってくれました。

結局、コロナ禍だろうが受入れる姿勢には何ら変更はなかったが、状況が状況なので各店舗のスタッフ配置の見直しや変更などに色々と時間がかかってしまったとのことでした。社長の心意気を学生達に伝えると、目を真っ赤にして泣いてしまう学生もいたりして喜んでいたそうです。

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About the author

SHINGO ITO
SHINGO ITO
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Immigration lawyer(入国管理局申請取次届出)
・Certified Skilled Worker of Financial Planning(2級FP技能士)
・Personal Information Protection Professional(個人情報保護士)
IT業界で10年間コーディネーターとして幅広く業務を担当。
2016年これまでに得た経験を活かすため行政書士に転身。
その後1年間の下積みを経て行政書士伊藤真吾事務所を開設。
趣味は、深夜の一人映画館と断捨離とバイク。家は小遣い制。
【Affiliation】
日本行政書士会連合会 登録番号 第16081519号
東京都行政書士会   会員番号 第11086号
【Other qualifications】
調理師免許
大型自動車免許
中型自動二輪免許