在留資格「高度専門職」とは

「高度専門職」の在留資格は、外国人の行う活動に応じて3パターンに分類され、いずれも高度で専門的な能力を有する外国人材の受け入れ促進のために設けられたものです。

「高度専門職」は、「高度専門職1号」・「高度専門職2号」に分けられていたり、高度人材ポイント制という基準があったりする等、他の在留資格にはない様々なメリットがあるためか、一見すると複雑な在留資格です。

 高度学術研究活動高度専門・技術活動高度経営・管理活動
「高度専門職1号」
「高度専門職2号」

※「高度専門職2号」は、「高度専門職1号」で3年以上在留した方のみが対象。「高度専門職1号」と同様に様々なメリットがある他、在留期間が無期限となっていることが大きな特徴。

在留資格「高度専門職」の具体例

そんな「高度専門職」ですが実は、固有の在留活動がある訳ではありません。
「高度専門職」というのは、ざっくり言うと既存の在留資格の要件や活動をベースとした上で、高度人材ポイントというポイントが70点以上ある外国人だけに認められる在留資格なので、当然ながら具体例も既存の在留資格に準じたものになっています。
そして「高度専門職1号」は活動内容に応じて3パターンに分類されているため、具体例も3パターン存在します。

  • 「高度専門職1号イ」の具体例
    「高度専門職1号イ」の具体例は、「教授」、「研究」、「教育」の活動と同じです。
  • 「高度専門職1号ロ」の具体例
    「高度専門職1号ロ」の具体例は、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」の活動と同じである他、「教授」、「芸術」、「報道」、「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「興行」に規定されている活動を行う場合も「高度専門職1号ロ」の活動に重複し得ます。
    さらに、「宗教」、「技能」に相当する活動を行う場合で自然科学・人文科学の分野に属する知識・技術を要する業務に従事する場合も「高度専門職1号ロ」の活動に重複し得ます。
  • 「高度専門職1号ハ」の具体例
    「高度専門職1号ハ」の具体例は、「経営・管理」、「法律・会計業務」の活動と同じである他、「興行」に規定されている活動を行う場合も「高度専門職1号ハ」の活動に重複し得ます。
入管HP 高度人材ポイント制のリーフレットより

在留資格「高度専門職」の活動範囲

「高度専門職」で行うことができる活動は、入管法で以下のように定められています。

高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が行う次のイからハまでのいずれかに該当する活動であつて、我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの

イ、法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究 、 研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究 、 研究の指導若しくは教育をする活動

ロ、法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動

ハ、法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動

入管法別表第1の2の表「高度専門職」より

パッと見何を言っているのか意味不明な定義ですが、

要するに

「高度専門職」には、もう一つの基準である“高度人材ポイント制”というのがあって、そのポイントが70点以上ある上で、イ~ハのどれかに該当する活動でないとダメですよ。って意味です。
“又は”の前が主たる活動です。
イ→研究、研究の指導若しくは教育をする活動
ロ→自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動
ハ→貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動
“又は”の後ろはオマケと考えてOKです。メリットの1つである“複合的な活動の許容”の根拠です。

用語の解説

ここからは定義について少し詳細にご案内。

ア.「法務省令で定める基準」とは

高度人材ポイント制で70点以上なければならないという基準です。

イ.「法務大臣が指定する本邦の公私の機関」とは

「高度専門職1号」の在留資格が決定される際、指定書に記載されるものです。「高度専門職1号ロ」においては、「高度専門職1号イ」と異なり、指定された契約機関以外の「本邦の公私の機関との契約に基づく活動」を含めていない。これは、「自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務」は広範にわたるため、契約機関以外の機関との契約に基づく活動まで認めると、事実上活動範囲が限定されないこととなるためである。実際には、「高度専門職1号ロ」に従事する外国人は企業等に雇用されて就労することが想定され、多くの場合就業規則に兼業禁止規定が置かれていると考えられるので、契約機関以外の機関での就労を資格外活動許可にかからしめても、そのことが当該外国人の活動について不合理な制約であるということにはならないと考えられる。

ウ.「研究、研究の指導若しくは教育をする活動」とは

「教授」の在留資格で規定されている「研究、研究の指導若しくは教育をする活動」と同義です。

エ.「当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動」とは

主たる活動の研究の成果や知識・技術を生かしてベンチャー企業を経営する等の活動が想定されています。ただし、「当該活動と併せて」と規定しているため、主たる活動を行わず、それらの付帯的な活動のみ行うことは認められません。

オ.「当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動」とは

主たる活動に関する契約機関以外の機関との契約に基づく活動を許容する趣旨です。ただし、「当該活動と併せて」と規定しているため、主たる活動を行わず、それらの付帯的な活動のみ行うことは認められません。

カ.「自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動」とは

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で規定されている「自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動」と同義です。ただし、「高度専門職1号ロ」の在留資格においては、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に相当する活動のうち「国際業務」の部分は含まれていません。
なぜなら、「国際業務」は「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」であり、「高度専門職1号ロ」の在留資格の概念には適しないとともに、思考や感受性のレベルの高低をポイントで測ることは困難だからです。

キ.「当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動」とは

主たる活動として指定された会社の役員として活動している者が、同種同業の他社の社外取締役を兼任したり、特定された会社以外に子会社を設立して経営するといった活動が想定されています。主たる経営活動との関連性が必要であるので、例えば、IT企業の役員が飲食業を経営するのは対象外となります。
また、「当該活動と併せて」と規定しているため、主たる活動である指定された機関における経営・管理活動を行わずに付帯的な活動のみを行うことは認められません。

在留資格「高度専門職」の優遇措置

「高度専門職」には他の在留資格にはない次の7つのメリットがあります。

  1. 複合的な在留活動の許容
  2. 在留期間が5年
  3. 在留歴に係る永住許可要件の緩和
  4. 配偶者の就労
  5. 親の帯同(一定の要件が必要)
  6. 家事使用人の帯同(一定の要件が必要)
  7. 入国・在留手続きの優先処理

特に2、3が大きいです。

 

 

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