「経営・管理」とは

「経営・管理」ビザは、外国人が日本で会社の経営や管理業務を行うために設けられたものです。

※2025年10月16日の法改正により「経営管理」の要件が厳格化されました。

「経営・管理」の在留期間

「経営・管理」の在留期間は5年、3年、1年、4月または3月のいずれかが付与されます。

「経営・管理」の具体例

「経営・管理」の具体例は次のとおりです。

  1. 日本で事業の経営を開始してその経営を行い、又は、当事業の管理に従事する活動
  2. 日本で既に営まれている事業に参画してその経営を行い、又は、当事業の管理に従事する活動
  3. 日本で事業の経営を行っている者(法人を含む。)に代わってその経営を行い、又は、当事業の管理に従事する活動

つまり会社の経営者や管理者といった外国人が該当します。
※経営者には、代表取締役、取締役、監査役等の役員が含まれます。
※管理者には、部長、工場長、支店長等といったクラスの方が含まれます。

入管HP「在留資格一覧表」はこちら

「経営・管理」で行える活動は?

「経営・管理」で行える活動は次のとおり。

本邦において貿易その他の事業の経営を行い※1又は当該事業の管理に従事する活動。
(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)

入管法別表第1の2の表「経営・管理」より

※1「本邦において貿易その他の事業の経営を行い」とは

具体的には次のようなケースです。

①日本において活動の基盤となる事務所等を開設し、事業の経営を開始して経営を行うこと
②日本において既に営まれている事業の経営に参画すること
③日本において事業の経営を行っている者に代わってその経営を行うこと

「経営・管理」の条件

「経営・管理」になるための条件は1〜5号まであり、その全てに該当する必要があります。※2025.10.16法改正により2号〜5号があらたに加えられました。

「経営・管理」の上陸基準省令1~5号より

1号(事務所)

事業を営むための事業所が日本に存在すること。
ただし、当該事業が開始されていない場合にあっては、当該事業を営むための事業として使用する施設が本邦に確保されていること。

1号の解説

第1号は活動場所に関する規定で次の両方を満たすことが必要です。

  1. 経済活動が単一の経営主体のもとで、一定の場所すなわち一区画を占めて行われていること。
  2. 経済活動・生産活動・サービスの提供などが、人及び設備を有して、継続的に行われていること。

2号(事業規模) 

申請に係る事業の規模が次のいずれにも該当していること。

  1. その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する常勤の職員(法別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)が従事して営まれるものであること。 
  2. 申請に係る事業の用に供される財産の総額(資本金の額及び出資の総額を含む。)が三千万円以上であること。

2号の解説

第2号は事業規模に関する規定で次の両方を満たすことが必要です。

  • イ、1人以上の常勤職員の雇用義務
    申請者が経営する会社で1人以上の常勤職員を雇用することが必要。
    ※常勤職員としてカウントできるのは、日本人・永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者です。
    ※就労ビザはカウント対象外(ex.技人国、技能、企業内転勤など)
  • ロ、資本金等の規模は3,000万円以上
    <会社なら>資本金の額や出資の総額で確認。
    <個人事業なら>事業所の確保費・常勤職員の1年分給与・設備投資費など、事業運営に必要として投下された総額で確認。

3号(日本語と居住状況) 

申請に係る事業の経営を行い、又は当該事業に従事する者(非常勤の者を除く。)のうちいずれかの者が、高度に自立して日本語を理解し、使用することができる水準以上の能力を有している者であって、かつ、申請人が当該事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する時において、本邦に居住することとしているものであること。

3号の解説

第3号は日本語能力と居住条件に関する規定で次の両方を満たすことが必要です。

  • 日本語能力(経営者本人 or 常勤職員のどちらか)
    申請者である経営者、常勤職員のいずれかに相当程度の日本語能力が必要。
    ※相当程度の日本語とは↓
    ・CEFR B2以上、JLPT N2以上、BJT400点以上
    ・日本に20年以上在留している
    ・日本の大学等の卒業
    ・日本の義務教育をでて高等学校を卒業
  • 長期出国の扱い
    在留中に正当な理由なく長期出国していると、更新不許可につながることがあります。

4号(経歴・学歴) 

次のいずれか(イ~ロ)に該当していること。

  1. 経営管理に関する分野又は申請に係る事業の業務に必要な技術若しくは知識に係る分野において博士の学位、修士の学位又は専門職学位(外国において授与されたこれに相当する学位を含む。)を有していること。
  2. 事業の経営又は管理について三年以上の経験(特定活動の在留資格〔法第七条第一項第二号の告示で定める活動のうち本邦において貿易その他の事業の経営を開始するために必要な事業所の確保その他の準備行為を行う活動を含む活動を指定されたものに限る。〕をもって本邦に在留していた期間がある場合には、当該期間を含む。)を有していること。

4号の解説

第4号は申請者の経営に関する経歴・学歴を定める規定です。

  • 申請者である経営者に求められる要件は次のどちらかが必要です。
    <学歴なら>博士・修士・専門職学位(事業に関するもの。海外の学位も可)
    <経歴なら>事業の経営又は管理に関する実務経験3年以上(※起業準備の特定活動期間の一部も算入可)

5号(管理者の報酬) 

申請人が事業の管理に従事しようとする場合は、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

5号の解説

第5号は申請者が経営者ではなく、事業の管理者として申請する場合の日本における報酬の額を規定するものです。「報酬」には、通勤手当・扶養手当・住宅手当等の実費手当の性格を有するものは含まないとされています

「経営・管理」の必要書類

「経営・管理」の豆知識

  • 業種の範囲について日本で適法に行われる業務であれば、その活動の業種に制限はない。
  • 個人事業主であっても「経営・管理」の対象となり得るが、実務上はハードルが高い。
  • 事務所の賃貸借契約においては、その使用目的が事業用、店舗等といった事業目的であること、及び、賃貸借契約者についても当該法人名義とし、当該法人による使用であることを明確にすることが必要。
  • 月単位の短期間賃貸スペース等を利用したり、容易に処分可能な屋台等の施設を利用したりする場合には、それを合理的とする特別の事情がない限り、「事業所の確保(存在)」の要件に適合しているとは認められない。
  • 「バーチャル・オフィス」等と称する形態は、住所・電話番号を借り受け、電話にはオペレーターが対応し、郵便物は転送されるなど実際に経営又は管理を行う場所は存在していないため、事業所とは認められない。
  • 賃貸中の住居の一部を事務所として事業を運営する場合は、実務上はハードルが高い。
    ただし、次の点がクリアされれば認められるケースもある。
    ① 住居目的以外での使用を貸主が認めていること(事業所として借主と当該法人の間で転貸借されることにつき、貸主が同意していること)
    ② 借主も当該法人が事業所として使用することを認めていること
    ③ 当該法人が事業を行う設備等を備えた事業目的占有の部屋を有していること
    ④ 当該物件に係る公共料金等の共用費用の支払に関する取決めが明確になっていること
    ⑤ 看板類似の社会的標識を掲げていること
  • 事業の安定性・継続性は重要なポイントではあるものの事業活動においては様々な要因で赤字決算となり得るため、単年度の決算状況を重視するのではなく、貸借状況等も含めて総合的に判断される。ただし、2年以上連続赤字の場合は、本人の活動内容を含め注意が必要となってくる。

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