日本人、永住者および特別永住者の配偶者には、永住申請に必要な在留年数を短縮する特例があります(いわゆる10年在留の特例)。2026年10月の永住ガイドライン改定では、この特例の期間が見直されるほか、日本語能力や日本での生活状況についても考慮要素が整理されました。この改訂については2027年4月1日以降の申請から適用されます。永住準備中の方は、収入だけでなく、家族関係や在留歴も確認する必要があります。

・出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」(2026年10月1日改定)
・出入国在留管理庁「永住許可(入管法第22条)」

配偶者は「婚姻5年+日本での在留3年」へ

日本人・永住者・特別永住者の配偶者について、従来は、実体を伴った婚姻生活が3年以上続き、日本に引き続き1年以上在留していることが特例の条件でした。改定後は「婚姻生活5年以上+日本での継続在留3年以上」になります。その実子等も、日本での継続在留が1年以上から3年以上に延びます。2027年3月31日までの申請は、在留年数の特例について従来の基準が適用されます。ただし、収入・公共の負担に関する先行適用や、ほかの要件は別に確認する必要があります。
例えば、婚姻4年・日本での継続在留2年の方は、従来の期間条件には当てはまっても、新しい配偶者特例の期間条件には届きません。いつ申請するかによって確認する条件が変わります。また、在留特別許可や、上陸拒否事由に該当して上陸特別許可を受けた方には、短縮特例を適用せず、その許可後、原則10年以上の継続在留を求めることが明記されています。

日本語能力も必要。B1相当以上が考慮要素

日本語能力が必要となった点も大きな改訂ポイントです。新ガイドラインでは、日本語教育の参照枠のB1相当以上の日本語能力が考慮されます。一方、高度人材外国人とその家族、日本の初等・中等教育を累計6年以上受けた方などには、免除規定があります。
JLPTの参考表示では、N2合格はB1以上、N3は104点以上で合格するとB1に相当します。ただし、永住審査で使用する試験や証明方法は、運用開始までに入管庁が検討・公表するとしています。そのため、現段階では「N3に104点で合格すれば永住の日本語基準を必ず満たす」とは案内できません。日本語受験を検討する方は今後の公式案内にも確認が必要です。

過去の納付状況と日本での生活状況も確認

税金や年金・健康保険料は、申請時に未納がないだけでなく、過去に適切に支払っていたかも確認されます。滞納処分歴などは原則として消極評価され、同一生計世帯の状況も審査対象になります。一方で、過去(審査対象期間前)に小さな納付遅延、漏れといった問題があれば必ず不許可になると一律に決まっているわけではありません。事情と記録を正確に確認することが必要です。また、現状詳細は不明ですが、日本の制度・ルールへの理解や、学齢期の子どもの就学状況も考慮されます。配偶者特例で在留年数を短縮できても、それだけで永住許可が保証されるものではありません。

参考:永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)>第2の5(11)https://www.moj.go.jp/isa/10_00279.html

高度人材の「1年・3年」の特例は維持

今回の永住改定では、高度人材の70点で3年、80点で1年という短縮特例は維持されています。別途、高度専門職の最低年収やポイント制度の見直しが検討されているようですが、今回確認した公式資料では、新しい年収ポイント・配点・施行日・経過措置は確定していないようです。永住ガイドラインの改定とは区別して確認していきます。

※本記事は2026年10月2日時点の公表内容に基づきます。

この記事を書いた人

SHINGO ITO
SHINGO ITO行政書士Office ITO 代表
IT業界で10年目リストラに遭遇し、行政書士資格を取得。
2016年行政書士Office ITOを開設し、外国人ビザ申請に特化。
銀座を拠点に就労ビザ・配偶者ビザ・永住ビザなど実績10年。
趣味はおいしいパスタ料理(自称)と断捨離。家は小遣い制。
[ 所属団体 ] 東京行政書士会(会員番号 第11086号)
日本行政書士会連合会(登録番号 第16081519号)
[ 資格 ]
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Certified Immigration Procedures Agent(入管申請取次)他

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