政府による外国人材の受入れ拡大法案をめぐる与野党の攻防に目が離せない日々が続いてます。
外国人材に関するニュースは毎日報道されていますが、外国人材の受入れ拡大をするための出入国管理及び難民認定法(入管法)改正案が決定すると一体何が変わるのか、そして何が起こるのでしょう。
今回は外国人労働者の受入れ拡大についてすこし。
急激な外国人の増加
当たり前ですが、外国人労働者を増やすための改正案なので、今国会で改正案が可決すれば外国人労働者が増加します。
注目すべきはその人数と対象分野。
現時点で与党が提示している2019年~2023年までの5年間で受入れ見込み規模は以下のとおり。
- 農業 18,000~36,500人
- 漁業 7,000~9,000人
- 飲食料品製造業 26,000~34,000人
- 外食産業 41,000~53,000人
- 介護 50,000~60,000人
- ビルクリーニング 28,000~37,000人
- 素形材産業 17,000~21,500人
- 産業機械製造業 4,250~5,250人
- 電気・電子情報関連 3,750~4,700人
- 建設業 30,000~40,000人
- 造船・船用工業 10,000~13,000人
- 自動車整備 6,000~7,000人
- 航空業 1,700~2,200人
- 宿泊業 20,000~22,000人
合計260,000~345,150人
このようにみると、受入れ規模が拡大されるといっても対象となる分野によって大きく異なることが分かります。
一番多いのは介護分野。
これは、5.6年後には介護従事者が250万人足りない試算があるからでしょう。
その次には外食産業や建設業となっていますが、これらも人材不足が叫ばれて久しいことは周知のはずです。
なお、合計の26万から34.5万人という数字は今回の改正案が今国会で決定すれば、2019年から5年の間に見込まれる数字です。
初年度となる2019年度には、まず約4万人の外国人材を受入れる予定とされています。
外国人材受入れ拡大の詳細は未定
外国人材受け入れ拡大の詳細については、まだまだ決まっていないことが多く、そもそも本当にこの改正案が国会で承認されるかどうかもわかりません。
しかし、経済界、産業界からはすでに歓迎の意向が表明されているのも事実です。
それだけ人手不足に苦しんでいるという事実があるからです。
4万人もの外国人材を受入れて問題が起きないのか?
実際にこの改正案が承認されて実行に移されるときがくれば、2019年度には4万人もの外国人労働者が日本に来ることになります。
それだけの数の外国人が日本に来ることで、何か問題は起きないのでしょうか。
当然、改正案と同時にいろいろな施策を講じることが予想されますし、それが行政の責務ではあります。
しかし、現在の段階ですでに外国人労働者に絡む問題は起きています。
それは、技能実習生といった弱い立場の外国人らが不当に安い賃金などの待遇で働かされていたり、勤務先から逃げ出したりしてしまう失踪するケースなどです。
野党による追及が多いのも、この失踪の件です。
外国人材の受入れ拡大には日本側の受入れ態勢の充実が必要
外国人労働者の受け入れ拡大により予想される問題を放置したまま、改正案が承認され、大勢の外国人材が日本に押し寄せれば、当然私たちの生活にも影響が出てくる可能性があります。
そんなたくさんの問題を解決するためには、外国人労働者達が安心安全に日本で働けるように、ハードソフト両面によるバックアップ態勢の拡充が必要になることは間違いありません。
外国人労働者の受入れ拡大を人ごとだと思っている日本人も多いと思いますが、決して人ごとではなく私たちや子供の生活に直結する大きな改正となる可能性が高いのです。
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About the author
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・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Immigration lawyer(入国管理局申請取次届出)
・Certified Skilled Worker of Financial Planning(2級FP技能士)
・Personal Information Protection Professional(個人情報保護士)
IT業界で10年間コーディネーターとして幅広く業務を担当。
2016年これまでに得た経験を活かすため行政書士に転身。
その後1年間の下積みを経て行政書士伊藤真吾事務所を開設。
趣味は、深夜の一人映画館と断捨離とバイク。家は小遣い制。
【Affiliation】
日本行政書士会連合会 登録番号 第16081519号
東京都行政書士会 会員番号 第11086号
【Other qualifications】
調理師免許
大型自動車免許
中型自動二輪免許
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