技能実習の廃止

政府が技能実習制度を廃止することを発表しました。

1993年から始まった技能実習の制度は2022年末までに世界から約32万人もの人材を受け入れてきましたが、当初から制度の目的と運用実態に大きなギャップがあることが指摘されてきました。

  • 技能実習の趣旨(政府)
    技能実習生を通じて、日本の技能や技術を開発途上国へ技術を移転。間接的に経済発展を担う国際協力に寄与する制度。
  • 技能実習の実態(現場)
    人手不足を解消するため、安価な賃金で労働力を確保できる制度。

欧米からは日本の技能実習は現代の奴隷制度だという厳しい批判の的になっていました。
※ 批判の主な理由…賃金不払い、不当解雇、安価すぎる時給(400円とか)、失踪の助長、その他セクハラ、パワハラなど人権侵害
※ もちろん、本来の趣旨に沿って技能実習制度を運用する中小企業もある

技能実習を廃止した後は?

技能実習が廃止されるといっても、実習生すべてを帰国させて当制度を跡形もなくす。というわけではなさそうです。

詳しいことは政府と有識者が検討中ですが、新制度の設計が必要とされています。

技能実習廃止後の新制度は?

新制度は、人材の確保と育成を目的とし、技術移転だけを掲げるのではなく、より現実的な制度にすることが盛り込まれるようです。
また、技能実習では原則として不可だった転職も一定程度認められる方向で検討されています。
滞在年数や回数については、2023年秋までに決定される予定です。

また新制度の設計においては、人手不足の解消を目的とした特定技能制度への円滑な移行が可能になるよう配慮されます。

現在、技能実習は87職種、特定技能は12分野で受け入れられていますが、それぞれの受け入れ人数の上限については、経済団体や労働組合などの意見を踏まえて詰められることになります。

ビザ関連情報をお届けします

About the author

k.rumi
k.rumiアシスタント
行政書士Office ITOでリモートワークしながら、愛知県を拠点に美容師としても10年以上の経験を持つ異色のパラレルワーカー。自身の台湾へのルーツからビザ、在留資格について勉強中。2021年9月からアシスタントIN。