特定技能の【宿泊分野】に関する運用方針

特定技能の制度に関する基本方針にのっとって、人材確保が困難な分野として14の特定産業分野 が定められました。
今回は、その14分野の中のひとつ宿泊分野について。

宿泊分野の運用方針

特定技能外国人を宿泊分野へ受け入れる趣旨と目的

深刻化する宿泊分野の人手不足に対応するため、専門性・技能を生かした現場に即戦力として就労する外国人を受け入れることで、この分野の存続・発展を図り、日本の経済・社会基盤の持続可能性を維持することが挙げられています。

最近よくニュースなどで日本の旅館やホテルが足りないといったことを耳にしますが、平成29年の訪日外国人旅行者数は2,869万人で、平成30年度に至っては初の3,000万人突破という数値も出ています。この凄まじい数値は5年前の平成24年と比較すると約 3.4倍もの増加となっているそうです。

宿泊分野の人手不足の状況

個人的には、華やかなイメージがあるので就職先として人気があると思っていたので意外でしたが、平成29年度の宿泊分野の有効求人倍率は全国で6.15倍となっていて現時点で約3万人の人手不足が生じているとされています。

有効求人倍率とは 
簡単にいうと、1より大きくなると仕事の数の方が多く、働き手が足りない状況。
1を切ると、求職者の方が多く、仕事探しが困難な状況。

さらに、今のペースで訪日外国人旅行者が増加すると5年後には10万人程度の人手不足が生じると見込まれています。

宿泊分野への人材確保の必要性

今の安倍政権による国家プロジェクトともいえる政府目標として
2020年には4,000万人
2030年には6,000万人
という訪日外国人観光客数の目標達成が掲げられています。

この目標達成に向けた観光客の宿泊需要に対応するためには、宿泊分野の人材確保が必要不可欠です。
また、現時点でその訪日外国人観光客数を受け入れるだけのホテルや旅館といった宿泊施設が足りない現象も既に起きてるので、そういったハード面もどんどん規制緩和を進めていかなければいけないと思います。

いずれにしても、宿泊分野においては、一定の専門性・技能をもって、フロント、企画・広報、接客及びレストランサービスといった多岐に渡る宿泊業務をこなす外国人を受け入れて深刻な人手不足の解決に繋げることが日本の経済、特に地方創生のためにも必要不可欠であるといえます。

受入れ見込数

建設分野における1号特定技能外国人の向こう5年間の受入れ見込数は最大2万2,000万人であり、これを向こう5年間の受入れの上限として運用するとされています。

向こう5年間で10万人の人手不足が見込まれる中、今回の受入れでは5年間で最大2万2,000人という数値なので決して過大な受入れ数とはいえないでしょう。

見込み数を超えそうな場合は

懸念される部分の一つですが、もしこの分野への受け入れ見込み数を超える状況となった場合は、入管法の規定により在留資格認定証明書の交付の停止措置が取られる予定です。
そして同規定には停止措置がとられても、再び人材確保の必要性が生じた場合には、受け入れ再開の措置がとられることも定められています。

宿泊分野に求められる人材基準

宿泊分野において特定技能として受け入れられる外国人には、次の技能試験と日本語試験に合格することが求められます。

1.技能水準(試験区分)

「宿泊業技能測定試験(仮称)」

2.日本語能力水準

「日本語能力判定テスト(仮称)」

又は

「日本語能力試験(N4以上)」

その他、宿泊分野の運用方針に関する重要事項

1号特定技能外国人が従事する業務

宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務。

特定技能所属機関(所属機関)に対して特に課す条件
  1. 宿泊分野においては、1号特定技能外国人が従事する業務内容を踏まえ、旅館・ホテル営業の形態とするとともに、以下の条件を満たすものとする。
    (ア)旅館業法(昭和 23 年法律第 138 号)第2条第2項に規定する「旅館・ホテル営業」の許可を受けた者であること。
    (イ)風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和 23 年法律第 122 号。以下「風俗営業法」という。)第2条第6項第4号に規定する「施設」に該当しないこと。
    (ウ)特定技能外国人に対して風俗営業法第2条第3項に規定する「接待」を行わせないこと。
  2. 特定技能所属機関は、国土交通省が設置する「宿泊分野における外国人材受入協議会(仮称)」(以下「協議会」という。)の構成員になること。
  3. 特定技能所属機関は、協議会に対し必要な協力を行うこと。
  4. 特定技能所属機関は、国土交通省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し必要な協力を行うこと。
  5. 特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託するに当たっては、上記b.c.d.の条件を全て満たす登録支援機関に委託すること。
特定技能外国人の雇用形態

原則直接雇用に限る。

治安への影響を踏まえて講じる措置

国交省は、基本方針を踏まえつつ、治安上の問題となりそうな事項を把握するよう努め関係機関と適切に共有していくものとする。
また、深刻な治安上の影響が生じるおそれがある場合は、基本方針を踏まえつつ、厚労省と関係機関が共同して所要の検討を行い、運用方針の変更を含め、必要な措置を講じるものとする。

特定技能外国人が大都市圏その他の特定の地域に過度に集中しないよう必要な措置を講じる

 

以上です。

 

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About the author

SHINGO ITO
SHINGO ITO
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Immigration lawyer(入国管理局申請取次届出)
・Certified Skilled Worker of Financial Planning(2級FP技能士)
・Personal Information Protection Professional(個人情報保護士)
IT業界で10年間コーディネーターとして幅広く業務を担当。
2016年これまでに得た経験を活かすため行政書士に転身。
その後1年間の下積みを経て行政書士伊藤真吾事務所を開設。
趣味は、深夜の一人映画館と断捨離とバイク。家は小遣い制。
【Affiliation】
日本行政書士会連合会 登録番号 第16081519号
東京都行政書士会   会員番号 第11086号
【Other qualifications】
調理師免許
大型自動車免許
中型自動二輪免許