在留外国人と日本人の結婚は、日本人同士の結婚より複雑な手続きです。

そのため、婚姻届を出さずに「同居」という形で暮らしてしまうと、万が一事故などの問題が起きたときに「家族」という証明をすることが難しいです。

そこで今回は「国際結婚をする際の手順」と「注意点」について詳しく解説していきます。 

国際結婚の手続き

国際結婚をする際に必要な書類は

  • 婚姻届
  • 戸籍謄本(こせきとうほん)
  • パスポート
  • 婚姻要件具備証明書(外国籍の人が必要)

以上の4つになります。

婚姻届に関しては必要な場合とそうでは無い場合があります。

しっかりと自治体に確認することが大切です。

また、戸籍謄本についてですが、「二人の戸籍の作成」をしなくてはならないため必要となります。

戸籍には「戸籍謄本」(こせきとうほん)と「戸籍抄本」(こせきしょうほん)があります。

  • 「戸籍謄本」は「全部事項証明書」
  • 「戸籍抄本」は「個人事項証明書」

ともいいます。

戸籍謄本は「本籍・戸籍の筆頭者の氏名・戸籍に記録されている全員の氏名・生年月日・父母の氏名と続柄・身分事項(出生・婚姻)」が記載。

戸籍抄本は「本人の戸籍情報のみ」

という違いがあります。

また戸籍謄本には「有効期限」があるため、なるべく早いうちに婚姻届を出した方が時間の無駄を防ぐことができます。

婚姻要件具備証明書(こんいんようけん ぐび しょうめいしょ)とは

婚姻要件具備証明書は

・結婚相手の外国人が独身であること

・相手の国の法律で「結婚」が禁止されていないこと

この2つを証明するための書類となります。

市区町村では婚姻届を受理するに当たって上記の2点を審査しています。

その証明のため日本人については戸籍謄本。

外国人については婚姻要件具備証明書を提出してもらうという方法となるのです。

婚姻要件具備証明書は、婚姻をしようとする外国人の本国の大使、公使又は領事など権限を持っている方が、その婚姻に必要な要件を備えていることを証明する書面となっています。

また、注意点として外国語で書かれた書類を提出する際には、すべてに日本語の訳文を付けなくてはなりません。

さらに、誰が翻訳したのかを記入する必要があります。翻訳者は本人でも可能です。

婚姻要件具備証明書の制度がない

婚姻要件具備証明書の制度がない国も存在します。

その場合、基本的には大使館などに確認する必要がありますが、代表的なのが「宣誓書」です。

宣誓書の入手方法として

①結婚相手の外国人が、自分の国の領事館へ行く。

その際に、領事の前で次のことを宣誓すること。

・自分は法律で定める結婚年齢に達していること

・日本人との結婚について、法律上問題がないこと

②領事が宣誓の内容を認め、「宣誓書」を作成してサインしてもらうこと。

このようなやり方で宣誓書を作成してもらうことが出来ます。

具体的な手続きの流れとは?

国際結婚で、届出が必要な場所は「日本の区役所」「海外の大使館・領事館」の2つです。

手続きの流れとしては

まず、最初に「日本の役所」にお問い合わせをします。

その次に「在日大使館」に問い合わせ。

問い合わせが終了したら、「日本の区役所」に必要書類を提出。

提出が終了した際には、「婚姻届受理証明書」を発行してもらいます。

そのあと「在日大使館」に届出を出します。

そして最後に、「在留資格の変更(していない方限定)」を申請して終了です。

次でもっと詳しく説明していきます。

woman and man holding each others hands

手順1 日本の役所に問い合わせる

まず、最初に役所で戸籍を扱っている部課にいきます。

その際には「結婚する外国人のパートナーの国籍」を伝えることが重要です。

国籍によって必要な書類が違ってきますので、きちんと確認しましょう。

また、婚姻要件具備証明書が発行されない国の場合は、このタイミングで役所の方に伝える必要があります。

手順2 在日大使館への問い合わせ

在日大使館に問い合わせをする際には

  1. 結婚する際の必要書類
  2. 書類の原本は必要か
  3. 書類に申請時には、二人で行く必要があるか
  4. 日本の書類に大使館の認証は必要か
  5. 書類の翻訳者の情報は必要か
  6. 婚姻要件具備証明書。またはそれに代わる書類を発行して貰える要件

以上の6つを聞くことで、これから起こる手続きをスムーズに進めることができます。

手順3 必要な書類を役所に提出

必要な書類を用意でき次第、市区町村の戸籍課窓口へ提出します。
提出された書類にミスがなければ、その場で婚姻届が受理されます。

手順4 婚姻届受理証明書を発行する

婚姻届が無事に受理されたら、次は「婚姻届受理証明書」が必要となります。
婚姻届受理証明書とは、「日本で夫婦になりました」という証になります。
これは会社で妻が夫の扶養家族になる場合に必要になる届け出です。

意外にも婚姻届受理証明書は、いろいろな場面で利用することができるのです。

手順5 在日大使館に提出する

日本で行う手続きが終了したら、次は国籍に応じた大使館・領事館で結婚の手続きを行います。

このときに必要な書類は、国の決まりによって変化してくるためあらかじめ確認することが大切です。

基本的な流れとしては、「婚姻届受理証明書」と大使館で指定された書類を提出するだけです。

以上の5つの手順を行うことで、在留外国人による国際結婚が成立します。

手順6 在留資格を変更する

日本人との結婚が正式に成立したあとは、在留外国人の在留資格を「日本人の配偶者等」に変更することができます。

「日本人の配偶者等」に変更するためには、住所のある地域を管轄する入管在留資格変更許可申請という手続きを行う必要があります。

ただし、その在留外国人が「永住者」「定住者」といった在留資格をもともと持っている場合は、この手続きは必要ありません。

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About the author

k.rumi
k.rumiアシスタント
行政書士Office ITOでリモートワークしながら、愛知県を拠点に美容師としても10年以上の経験を持つ異色のパラレルワーカー。自身の台湾へのルーツからビザ、在留資格について勉強中。2021年9月からアシスタントIN。

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