「定住者」ざっくり解説 vol.29

今回は「定住者」についてざっくりと解説。

定住者」とは

「定住者」とは、特別な理由がある一定の外国人に対して法務大臣が日本に居住を認めた外国人のことです。

抽象的ですが、入管法はこのように定義しています。

というのも「定住者」にはいろいろなケースの人が該当するため、定義もざっくりとしています。
しかし、「定住者」を規定する条文はかなり細かく「特別な理由」も具体的に記載されなかなか奥の深い在留資格となっています。

「定住者」になると、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「永住者」と同じように、活動範囲に制限がなくなり日本人と同じように就労可能になる点も大きな特徴です。

じゃあ、その「特別な理由」って一体どんな理由かというと、次の定住者告示という形で明確にされています。

「定住者」の具体例①(定住者告示)

「定住者」の具体例は次の通り。

  • タイやマレーシアで一時的に庇護されているミャンマー難民
  • 日系2世、日系3世、日系4世
  • 「定住者」の配偶者
  • 「定住者」の扶養を受けて生活する未成年で未婚の実子
  • 「定住者」の扶養を受けて生活する6歳未満の養子
  • 中国残留邦人等およびその親族

※ 日系2世は「日本人の配偶者等」にも該当し得ます。
※ 日系4世は未成年で未婚であれば「定住者」に該当するケースと「特定活動」(43号)に該当するケースがあります。

「定住者」の具体例②(告示外定住)

上記で挙げた具体例①の各ケースは繰り返しですが、定住者告示という形で予め決められているケースです。
つまり、告示で決められているので要件を満たす外国人が国外に居れば「定住者」として招へいすることが可能です。

しかし、そうはいっても人のルーツ・出生事情にもいろいろあります。全てを型にはめて人を区別するほど日本も鬼じゃありません。

原則あれば例外あり

ということで、そんな告示には該当しないものの「特別な理由」を考慮して例外も認めるのが告示外定住です。

告示外定住の主なケースは次のとおり。

  • 離婚定住
  • 死別定住
  • 日本人の実子を扶養する定住
  • 婚姻が破綻している者の定住
  • 特別養子の離縁した者の定住

など。

ざっと見ていただいてどうでしょう。

こういった外国人には国の政策として人道的な配慮が必要だと思いませんか?
ゆえに例外という形で「定住者」への変更を認めているわけです。

もちろん、それぞれに要件があります。

「離婚定住」が認められる要件

たとえば、最初の「離婚定住」が認められる要件は以下のとおり。
次の全てに該当しなければなりません。

  1. 日本において、おおむね3年以上正常な婚姻関係・家庭生活が継続していること
  2. 生計を営むに足りる資産や技能を有していること
  3. 日常生活に不自由しない程度の日本語能力を有していて、通常の社会生活を送ることが困難ではないこと
  4. 公的義務を果たしていることまたは果たすことが見込まれること
  5. 離婚に至った理由書(結婚から離婚となった経緯や理由の説明)

離婚に至った理由に元配偶者からのDVがあるときは、より有利に審査されます。

 

なお、これら告示外定住のケースはあくまでも例外的な位置付けなので、これに該当する外国人が国外に居る場合は「定住者」としては招へいすることはできません。在留資格認定証明書の申請ができないという意味です。

なので、告示外定住に該当する場合は前提として既に今他の在留資格をもって日本国内に在留している外国人だけが対象となります。

というところで、定住者のざっくり解説はこのぐらいにします。

その他、ポイントや必要書類の解説はコチラ  

最期までお読みいただきありがとうございました。
また次回もよろしくお願い致します。

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About the author

SHINGO ITO
SHINGO ITO
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Immigration lawyer(入国管理局申請取次届出)
・Certified Skilled Worker of Financial Planning(2級FP技能士)
・Personal Information Protection Professional(個人情報保護士)
IT業界で10年間コーディネーターとして幅広く業務を担当。
2016年これまでに得た経験を活かすため行政書士に転身。
その後1年間の下積みを経て行政書士伊藤真吾事務所を開設。
趣味は、深夜の一人映画館と断捨離とバイク。家は小遣い制。
【Affiliation】
日本行政書士会連合会 登録番号 第16081519号
東京都行政書士会   会員番号 第11086号
【Other qualifications】
調理師免許
大型自動車免許
中型自動二輪免許